フェーズIVとフェーズIV+(1982年)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/04/24 04:32 UTC 版)
「DECnet」の記事における「フェーズIVとフェーズIV+(1982年)」の解説
DECnet フェーズIV プロトコルスイートアプリケーション層DAP: Data Access ProtocolCTERM: Command Terminal ネットワーク管理層NICE: Network Information (and) Control ExchangeMOP: Maintenance Operation Protocol セッション層SCP: Session Control Protocol トランスポート層NSP: Network Service Protocol ネットワーク層DRP: DECnet Routing Protocol データリンク層DDCMP: Digital Data Communications Message Protocolイーサネット、トークンリング、HDLC、FDDI、… 物理層イーサネット、トークンリング、FDDI、… フェーズIVは、当初 RSX-11 と VMS 向けにリリースされ、続いて TOPS-20、TOPS-10、Ultrix、VAXELN、RSTS/E もサポートされた。最大64,449ノードまで(1023ノード×63エリア)のネットワークをサポートし、データリンクはDDCMP以外にイーサネットもサポートされ、階層型ルーティング、VMSクラスターサポート、ホストサービス(CTERM)などが導入された。CTERMは、あるコンピュータ上のユーザーが他のコンピュータにログインできる機能で、TCP/IPプロトコルスタックでの Telnet と同等の機能を実現している。また、PATHWORKS(あるいは PATHWORKS 32)と呼ばれる製品もリリースし、DECnet フェーズIV の機能の大部分を DOS および Microsoft Windows 向けに実装した。 フェーズIV ではOSI参照モデルの7層に類似した8層アーキテクチャを実装している。当時、OSI参照モデルは完成していなかったため、フェーズIVのプロトコルの大部分は独自のものだった。 イーサネットの実装も普通とは異なり、MACアドレスをソフトウェアが変更し、AA-00-04-00-xx-yy の xx-yy の部分が DECnet のホスト毎のネットワークアドレスそのものになっている。このため、LAN上のルーティングが簡便になっていた。ただし、そのために同じホストから同じLANに複数のNICで接続することができない。 DECnet のプロトコルスタックは Linux や SunOS といったプラットフォームにも移植され、シスコシステムズなどのネットワーク機器企業もDECnet対応製品をリリースした。 フェーズIVがリリースされたころ、ターミナルサーバ経由のシリアル端末アクセスのための Local Area Transport(LAT)と呼ばれる独自プロトコルもリリースしている。LAT 自体は DECnet とは全く無関係だが、LATターミナルサーバは DECnet の MOP を使って端末へのダウンロードやブート処理を行っていた。 フェーズIV への拡張は DECnet フェーズIV+ と呼ばれたが、フェーズIV との相互運用性は完全に保たれていた。
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