ファッションの疑似右翼性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/30 21:11 UTC 版)
1970年代後半から1980年代までの共同危険型暴走族ファッションの特徴のひとつとして、特攻服や日の丸鉢巻きを身に着け、車両に「愛国」「尊皇」「神風」などと(右書きで)書かれたステッカーを貼り付けるなど、国粋主義(右翼)的な意匠・記号が取り入れられている点が挙げられる。これらは1970年代当時、東京・築地などの下町地域に存在していた「極悪」というグループが紺色または黒色の特攻服(このグループでは戦闘服と称していた)を着用していたのが始まりとされている。ハーケンクロイツなどナチスの意匠・記号を好んで取り入れた暴走族も存在し、暴走族内部では、リーダーを「総長」、先頭を走るグループを「特攻隊」と呼び本隊の通行を止めないように交差点でコールをし他を威嚇し強制的に交通を遮断したり抗争時には先頭で飛び込む役割を果たす、「けつ持ち」とは特攻隊とは逆に本隊を取り締まろうと追跡してくる警察車両など本隊とは直接関係のない他車が入り込まないように交通を妨害する、「旗持ち」は二輪車の後座席でグループの旗を持つ、リーダーの護衛を「親衛隊」などと呼称している事例も多い。 しかし、よく指摘されることだが、暴走族が日章旗や菊紋章などの右翼的なシンボルを用いるのは天皇や国家への敬意の念からではなく、むしろ「怖そう」「恐ろしそう」なイメージを流用するためだった。暴走族のシンボリズムはオリジナルの意味をかなり自由に翻案したものだったのである。
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