ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ 第7番 ニ長調
英語表記/番号 | 出版情報 | |
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ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ 第7番 ニ長調 | Sonate für Klavier Nr.7 D-Dur Op.10-3 | 作曲年: 1797-98年 出版年: 1798年 初版出版地/出版社: Eder |
楽章・曲名 | 演奏時間 | 譜例 | |
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1 | 第1楽章 1.Satz Presto | 6分30秒 | |
2 | 第2楽章 2.Satz Largo e mesto | 10分00秒 | |
3 | 第3楽章 3.Satz Menuetto e Trio-Allegro | 3分00秒 | |
4 | 第4楽章 4.Satz Rondo-Allegro | 4分00秒 |
作品解説
ブロウネ伯爵夫人アンナ・マルガレーテに捧げられた3つのソナタ(作品10)の最後に位置する。
第1楽章はプレスト、ニ長調の2分の2拍子でソナタ形式による。ニ長調の第1主題とイ長調の第2主題との間に、ロ短調のはっきりとした中間主題をおいている。この中間主題は、再現部でホ短調で再現される。また、第1楽章がプレストによるソナタは、この他には第25番作品79のト長調のソナタにしかみられない。
第2楽章はラルゴ・エ・メスト、ニ短調の8分の6拍子で、展開部にまったく新しい主題が現われる変則的なソナタ形式による。また、再現部では第1主題も第2主題も縮小された形で再現される。
第3楽章はメヌエット、アレグロ、ニ長調の4分の3拍子で、3部形式による。主部の優雅なメヌエットは、左手の跳躍音型が特徴的なトリオと対照を成す。
終楽章はロンド、アレグロ、ニ長調の4分の4拍子で、副主題を2つ持つロンド形式による。1つ目の副主題が、主調と同じニ長調によりながら、主要主題とは異なる雰囲気を醸し出していることは興味深い。この副主題は、第1楽章の第1主題に通じるものが感じられる。
このように、一見するとソナタ形式、緩徐楽章、メヌエット、ロンドというソナタとして伝統的な構成を持つように思われるが、その中でベートーヴェンは様々な試みを行っていることがうかがえる。また、ソナタ全体としては、第2楽章にみられる減7の和音や半音階の多用が、他の楽章に比べ、深みのある悲哀のような雰囲気を醸し出している。
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