ビデオデッキにおけるHi-Fi
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/02 01:22 UTC 版)
「Hi-Fi」の記事における「ビデオデッキにおけるHi-Fi」の解説
ベータやVHSのビデオデッキでは音声信号を固定ヘッドで記録していた。ビデオテープはテープの走行速度が遅いため、カセットテープなどと比べて音質がかなり劣っていた。 そこで、音声信号を映像信号とともに回転ヘッドで記録する「ハイファイビデオ」が各社から登場することになった。回転ヘッドによって記録された音声信号を「ハイファイ音声」、従来の固定ヘッドで記録された音声信号を「ノーマル音声」または「リニア音声」と呼ぶ。 「ハイファイ音声」は、音声信号をFM変調で映像信号と同等の周波数に変換し、映像信号に重ねて記録する。映像信号用の広い帯域を使えるため飛躍的な高音質が実現できた。また、ノーマル音声は長時間モードではさらにテープ速度が遅くなり音質が劣化するのに対し、ハイファイ音声はほとんど影響を受けない。 なお、このハイファイ音声は、純粋なオーディオ機器ほどは高音質ではない。最大の欠点としてスイッチングノイズの問題がある。回転ヘッドは2つのヘッドで1/60秒ごとに交互に記録する(NTSC方式の画像の録画の場合)ので、その切り替えが60Hzの雑音として聞こえる(映像信号の場合はちょうど垂直帰線区間にあたるので問題がない)。また、周波数特性が優れている割にはSN比が悪く、カタログ値の80dBを実現するために強力なノイズリダクションを必要としていた。 その他、ハイファイ音声は原理的にアフレコができない。これは、自作ビデオを作る一部のユーザーにとって欠点となった。
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