ヒポクラテスの前段階として
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/01 20:43 UTC 版)
「古代ギリシア医学 (ガレノス以前)」の記事における「ヒポクラテスの前段階として」の解説
ベンジャミン・ファリントンは『ギリシア人の医学』で「ソクラテス以前のギリシア科学の記録はほとんど全て散逸したが、初期の科学には一部に例外があった。すなわち、幸運にも医学者たちの著作集が今日の私たちに残されている・・・」と述べている。そして彼はヒポクラテス医学についての論説を展開し、普通歴史家が挙げる医学の三つの源泉、すなわち、 医神アスクレーピオスの古い神殿で施された医術 自然科学者たちの生理学的見解 体育訓練所の指導者たちの施療 を批評している。ファリントンはウィシントンの所説にしたがって神殿医術を医学の源泉から除外している。ウィシントンの所説というのは、「神殿で、実在的にせよ想像的にせよおよそ超自然的な邪魔物を遵奉することによっては技術は学べない。技術はヒポクラテス集典の著作者たちが私たちに告げているように経験によって学ばれ、また人間と事物の自然的本性に理論を適用することによって学ばれる。」というものである。ファリントンはこの意見に完全に同意し、それに付け加えて、神殿の神官たちに代わるものとして、料理人たちを医学の源泉として挙げている。ファリントンの典拠は『ヒポクラテス集典 (全集)(英語版)』の中の「古い医術」であり、これは仮定にもとづいた、実証性の乏しい説を唱える哲学者たちを批判して経験と検証を主張し、人類がその経験に基づいて発達させた料理術こそ医術の源泉であると説いた論文である。
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