ヒポクラテスの煎じ薬
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/08 17:08 UTC 版)
麦茶に類似したものについて、古代ギリシアの医聖・ヒポクラテスによる治療法の処方文献に、発疹した患者に発芽した大麦の煎汁を飲用させ排尿量を増やすというものがあった。ギリシア語でプティサーネー("ptisane")と呼ばれたこの大麦煎湯は、原液のまま、あるいは稀釈や濾過により飲みやすくしたものが飲用されたという。 "ptisane"とは、「ptisane=脱穀」に由来する語である。のちにラテン語の"ptisana"(プティサナ、大麦湯、精白した大麦)となり、フランス語の"tisane"(ティザーヌ、ハーブティー)の語源となった。 この他、西洋では戦時中、南方からのコーヒー豆供給が難しくなった際の代用コーヒーとして、深煎りした大麦を用いたこともあった。イタリアでは同様のものがカッフェ・ドルゾと呼ばれ、スペイン語圏ではアグア・デ・セバダ(スペイン語版)などと呼ばれて飲用される。また、コーヒー及び茶の飲用を禁じられているモルモン教徒は、来日の際には戒律に抵触しない麦茶が重宝されるという。
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