パピローマウイルスの発見
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/11 04:30 UTC 版)
「ハラルド・ツア・ハウゼン」の記事における「パピローマウイルスの発見」の解説
研究領域は腫瘍ウイルスの研究である。1976年、ヒトパピローマウイルスが子宮頸がんの原因に重要な役割を果たすという仮説を発表した。1983-4年に、子宮頸がんを起こす2種類のパピローマウイルス(HPV16とHPV18)を共同研究者ともに同定した。これにより、2006年には、子宮頸がんの感染をワクチンで予防できるようになった。 「ヒトパピローマウイルスワクチン」も参照 また、尖圭コンジローマを引き起こすウイルス(HPV 6)の発見、最近発見されたヒトメルケル細胞ポリオーマがん(英語版)を引き起こすサルリンパ球向性ポリオーマウイルスの発見、ならびにエプスタイン・バール・ウイルスを用いて不活化細胞を誘導し、ホルボールエステルを用いてウイルスを複製する技術を開発した。パピローマウイルスおよび子宮頸がんに関する彼の研究は、最初の解明であったため多くの科学的批判を受けたが、他の高リスクのパピローマウイルスについても拡大され、確認された。 2008年、医学に貢献したためガードナー国際賞を受賞。同年、ヒト免疫不全ウイルスを発見したリュック・モンタニエとフランソワーズ・バレ=シヌシとともに、ノーベル生理学・医学賞を受賞した。 2008年のノーベル賞では、同年にカロリンスカ研究所ノーベル委員会のメンバーであったボ・エンジェリン(スウェーデン語版)が、HPVワクチンの特許権を有するアストラゼネカの理事会にも参加していたことが判明し、物議をかもした。これは、アストラゼネカがノーベルウェブとノーベルメディアとのパートナーシップを結び、ドキュメンタリーや講演会を開催して賞の認知度を高めたことでさらに悪化した。しかし共同研究者らは、受賞は当然であると感じており、ノーベル委員会と総会の幹事は、投票時にアストラゼネカのHPVワクチンの特許について知らなかったと述べている。
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