バーバーショップの七度
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/02/29 04:18 UTC 版)
「自然七の和音」の記事における「バーバーショップの七度」の解説
バーバーショップの七和音。音階上の主音、三度、五度、そして半音低い七度からなる和音。これがバーバーショップ風アレンジの特徴である。バーバーショップの七和音が、それの根音より五度低い音を根音とする和音を続けるのに使われた場合、バーバーショップの七和音は属七の和音と呼ばれる。バーバーショップ音楽を行う人達は、バーバーショップの七和音のことを時々「meat 'n' taters な和音」(訳者注:meat 'n' tatersとは、ジャガイモ、オニオンリング、肉を下から順に重ねてその上にバターを散らしオーブンで焼き上げた料理のこと)と呼ぶことがある。19世紀から20世紀初頭、この和音は時々「短」和音と呼ばれることがあった(例えば、短「七の和音」と同じように)。 —Averill 2003 バーバーショップの七度とは、バーバーショップ音楽を行う人が、バーバーショップ風アレンジ(英語版)やバーバーショップ音楽のパフォーマンスに用いられる短三長七の和音や属七の和音につけた名称である。「バーバーショップ風アレンジを行う人は、曲を『バーバーショップらしく』響かせるには、属七の和音がひとつの曲につき35%~60%含まれていたほうがよいと確信しており、このようにアレンジすれば、非常に最高の気分だと口にする。」 バーバーショップ音楽は、(完全五度へ解決する)ドミナントの機能を持つ短三長七の和音と持たない短三長七の和音の両方が使用され、ドミナントの機能を持つ短三長七の和音がよく連続する(セカンダリードミナント(英語版))のが特徴である。 1940年代初頭、バーバーショップ音楽リバイバル期のバーバーショップの歌手は、「意識的に属七の和音と主和音を純正音程に合わせ、両和音に共通する音ができるだけ多くなるようにすることで、『伸びのある歌声』『広大に響く歌声』『強固された歌声』『天使の歌声』と呼ばれる、ハーモニー豊かに響き渡る音を生み出した。」 この行為は、1944年に「Harmonizer」という雑誌の「Mechanics of Barbershop Harmony」というコラムにおいてMolly Reaganにより初めて肯定的に評価されたと思われる。バーバーショップの七度の例として、各音が100Hz、125Hz、150Hz、175Hz(25Hzを基音とした場合の第4倍音、第5倍音、第6倍音、第7倍音)になるよう合わせた属和音では、和音の根音から七度の音が「自然七度」となる。 バーバーショップの音楽には、神経をぞくぞくさせる和音がある...我々は和音をすべて「素晴らしい七和音」にするかもしれない!...我々の和音の音は正確に4:5:6:7の周波数比である。この周波数比により、倍音が倍音を強化するのである。不協和音は最小限であり、特有の音が響き渡る。どうやってこの和音に気付けるか?簡単だ。間違えようがない。証拠が分かりやすいからだ。この和音を聞けば、倍音が耳の中で鳴り響き、背筋が震え、腕に鳥肌が立ち、席で体がわずかにびくっとするだろう。 —Art Merill バーバーショップの七度のボイシングは、通常根音または五度音が最も低い音(バス)になるよう行われる。この密集和声の響きはバーバーショップ音楽の特徴のひとつである。 (バーバーショップの歌唱のように)バーバーショップの七度を純正律で調律した場合は、自然七の和音と呼ばれる。
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