ハート島プロジェクト
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/10 06:15 UTC 版)
「ハート島 (ニューヨーク州)」の記事における「ハート島プロジェクト」の解説
ハート島プロジェクト(Hart Island Project)は、ハート島とその埋葬記録へのアクセスを向上させることを目的とした非営利団体で、ニューヨークのアーティスト、メリンダ・ハントが1994年に設立した。このプロジェクトは、公開されている埋葬記録のコピーを遺族が入手するのを支援し、墓地への訪問を手配し、ハート島に埋葬されている親族を探すのに役立つウェブサイトを運営している。歴史家のトーマス・W・ラカー(英語版)は次のように書いている。 .mw-parser-output .templatequote{overflow:hidden;margin:1em 0;padding:0 40px}.mw-parser-output .templatequote .templatequotecite{line-height:1.5em;text-align:left;padding-left:1.6em;margin-top:0}無名のメキシコ移民の死者についてのウディ・ガスリーの歌は、長い間反響を受けてきた歴史がある。ハントは、感情的に関連した行為により、長年に渡って、ニューヨーク市が無名の死者を埋葬している101エーカーのハート島に眠る85万人もの貧困者の名前を公表するために調査してきた。 2009年以降、ニューヨーク市はハート島の埋葬記録をハート島プロジェクトに譲渡した。このプロジェクトは、1980年以降の埋葬記録のオンラインデータベースを維持管理している。このプロジェクトは、ハート島を月ごとに定例で全ての人に開放したり、矯正局に対し埋葬記録をオンラインで公開することを義務付ける条例を制定させるなど、ハート島へのアクセスの改革につながる活動を行っている。 ハート島プロジェクトでは、GPSのデータを用いて墓溝のデジタルマッピングを行ってきた。2014年には、GPSによる埋葬データとストーリーテリングソフト"clocks of anonymity"を使ったインタラクティブな地図を、"Traveling Cloud Museum"として公開した。これは、埋葬記録に記載されている人たちの公開されたストーリーを集めたものである。Traveling Cloud Museumは2018年に更新され、ドローンで収集したGeoTIFFの画像を使って作成した地図が追加された。この地図には6万9,000件近くの埋葬記録がそのまま表示され、故人を知っている人が個人のプロフィールにリンクされたストーリーや写真、墓碑銘、歌、動画を追加したり、エイズによる死者を特定したりすることができるようになっている。 2012年、ウェストチェスター・コミュニティ・カレッジ(英語版)では、ハントの協力を得て、ハート島プロジェクトを通じて親族の墓を発見した人々のアート展を開催した。ハート島プロジェクトはまた、イギリスの造園家アン・シャロックとイアン・フィッシャーと協力して、ニューヨーク市議会と公園局にハート島の景観戦略を提示した。シャロックはハート島が自然葬施設であるというコンセプトを提示し、都市環境における自然葬への関心の高まりを概説した。
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