ノンリニア動画編集とクローズドキャプション
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/29 14:59 UTC 版)
「クローズドキャプション」の記事における「ノンリニア動画編集とクローズドキャプション」の解説
2010年、プロ仕様の動画ノンリニア編集ソフトであるVegas Proが、CEA-608クローズドキャプションの取り込み、編集、配信に対応したものへと更新された。2010年10月11日にリリースされたVegas Pro 10では、クローズドキャプション対応にいくつかの機能強化が追加された。TVのようにCEA-608クローズドキャプションがプレビュー再生やトリミング再生する時に重ね合わせて表示できるようになり、CC情報の配置、編集、タイミングを確認するのが容易になった。CEA708方式のクローズドキャプションはCEA-608データの作成時に自動生成される。Line21クローズドキャプションのほか、AJA社やブラックマジックデザイン社カードからのHD-SDIクローズドキャプションの取り込みと印刷にも現在は対応済みである。Line21対応では既存の古いメディア向けのシステムを提供している。その他の改善には、複数のクローズドキャプションファイル形式への対応強化、DVD 、YouTube、RealPlayer、QuickTime、Windows Media Playerにクローズドキャプションデータを出力する機能などがある。 2009年半ばに、Apple社はFinal Cut Proのバージョン7をリリースし、Firewireや互換性のあるビデオキャプチャカードを経由してSD・HDマスターテープにクローズドキャプションデータを挿入するサポートを開始した(これまでは動画編集ソフトがCEA-608とCEA-708の両方のキャプションデータをマスターテープに挿入するのは不可能だった)。典型的なワークフローとしては、最初にSDないしHD動画をテープに印刷し、続いて独立したクローズドキャプションの符号化ハードウェアを備えた専門のクローズドキャプション事業会社にそれを送信するというものである。 もう一つ、Matroxのビデオシステムはクローズドキャプションデータを挿入する別のメカニズム(動画編集ソフトがビデオ編集タイムライン上で個別の音声チャネルにCEA-608やCEA-708を入れることができるもの)を考案した。これが編集中にキャプションのリアルタイムなプレビューを可能にしており、かつFinal Cut Proのバージョン6・7との互換性も有している。 それ以外のノンリニア編集システムは、標準画質映像のline21に限り間接的にクローズドキャプションに対応している。 編集タイムライン上の動画ファイルは、業界内で「ブラックムービー」と称されるクローズドキャプションデータを含む垂直帰線区間21行目の画像レイヤーと合成する必要がある。或いは、DV25やDV50のFirewireワークフローを使用する動画編集ソフトであれば、CEA-608クローズドキャプションデータを含むVAUXデータでDV .aviや.movファイルをエンコードする必要がある。
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