ノルムユークリッド体
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/11/21 13:40 UTC 版)
「ユークリッド環」の記事における「ノルムユークリッド体」の解説
代数体 K には体のノルム N(各代数的な元 α をその共軛元(英語版)全ての積へ写す写像)の絶対値による標準ノルム写像が存在する。このノルムは数体 K の整数環 OK を非負有理整数全体の成す集合のなかへ写すから、この環上のユークリッド函数の候補となり得る。このノルムがユークリッド函数の公理を満足するならば、数体 K はノルムに関してユークリッド的あるいはノルムユークリッド的 (norm-Euclidean) であるという。厳密に言えば、(体は自明なユークリッド環であるし)整数環のほうがユークリッド的だということを言っているのだが、このような語法が標準的である。 「体がノルムユークリッドでない」というのは、整数環がユークリッド環にならないことを必ずしも意味しない。単に体のノルムがユークリッド函数の公理を満足しないというだけである。実際、その整数環がユークリッド環になるが自身はノルムユークリッドでないような数体は存在する。簡単な例として二次体 Q(√69) があるが、このような体を(特に二次体の場合に)全て決定する問題は重要な未解決問題である。 ノルムユークリッド二次体の分類は済んでおり、そのような二次体 Q(√d) を成す整数 d の値は −11, −7, −3, −2, −1, 2, 3, 5, 6, 7, 11, 13, 17, 19, 21, 29, 33, 37, 41, 57, 73 (OEIS: A048981). であたえられる。
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