ヌマ暦
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/23 07:40 UTC 版)
紀元前713年、ローマ国王ヌマ・ポンピリウスによって改暦が行われ、現在の1月にあたるJānuārius、2月にあたるFebruāriusがつけ加えられた。このときヌマは、日数が30日だった月の日数をすべて29日に変えた。平年の1年の長さは355日になる。2年に1度、2月の日数を23日に減じ、2月23日の翌日に Mercedinus(メルケディヌス)という名の27日間または28日間の閏月を挿入した。この時期はまだ年始は3月1日であった。この暦法は、布告した王の名をとりヌマ暦と呼ばれる。ほとんどの月の日数を29日と31日にしたのと、1年の長さを月の運行に合わせた354日にしなかったのは、ヌマの信仰が偶数を嫌ったからだとされている。 ヌマ暦の月No.ラテン語月名読み平年の日数閏年の日数由来現在該当する月(日本語) 月名(英語) 月名(フランス語) 1 Martius マルティウス 31日 軍神マルスの月 3月 March mars 2 Aprīlis アプリーリス 29日 美の女神ウェヌスの月 4月 April avril 3 Māius マーイウス 31日 豊穣の女神マイアの月 5月 May mai 4 Jūnius ユーニウス 29日 結婚生活を守護する女神ユーノーの月 6月 June juin 5 Quīntīlis クィーンティーリス 31日 quīntus(5番目の月) 7月 July juillet 6 Sextīlis セクスティーリス 29日 sextus(6番目の月) 8月 August août 7 September セプテンベル 29日 septem(7の月) 9月 September septembre 8 Octōber オクトーベル 31日 octo(8の月) 10月 October octobre 9 November ノウェンベル 29日 novem(9の月) 11月 November novembre 10 December デケンベル 29日 decem(10の月) 12月 December décembre 11 Ianuarius / Jānuārius ヤーヌアーリウス 29日 物事の初めと終わりを司る境界と時間の神ヤヌスの月 1月 January janvier 12 Februārius フェブルアーリウス 28日 23日 浄罪と贖罪の神フェブルスの月 2月 February février 13 Mercedinus メルケディヌス - 27日または28日 ラテン語のmerces(賃金の意)より。この時期にこの1年の給金の支払いがあったことから (閏2月) ロムルス暦とヌマ暦で決められた月名は、後に改名されたQuīntīlisとSextīlis、および後のユリウス暦では必要のなくなったMercedinusを除き、語形変化を被りつつも、ほぼそのまま英語等の現代語にまで受け継がれている。
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