ニープ
安く作って利益をあげる
アメリカ、コロラド州のスペースデブ社は1997年、地球に近い小惑星に探査機を打ち上げ、画像の撮影や科学探査をして、得られたデータをNASAや大学などに販売する計画を発表しました。これが成功すれば、世界初の民間企業による商業目的の宇宙探査となります。探査機は「ニープ」(NEAP:Near Earth Asteroid Prospector)と名付けられ、設計にはカリフォルニア大学、ニューメキシコ大学などの教授、学生らが参加しています。この計画の費用は5000万ドル以下で、NASAが行っている小惑星探査機「NEAR」の計画よりも低コストで、しかも利益を生むことができると同社のベンソン会長は言います。打ち上げは2004から2006年の予定です。
最初は彗星の氷で採算
スペースデブ社の顧問であるアリゾナ大学のルイス教授によれば、地球から比較的容易に到達できる小惑星や彗星は数百個はあり、それぞれ地球よりはるかに純度の高い金や希少金属を有し、平均して1〜4兆ドルの価値はあると試算しています。しかし、小惑星の採掘によって最初に事業としてなりたつのはロケット燃料であろうと予測しています。ロケット燃料1リットルを宇宙で手に入れるとすると、約1万2,000ドルにもなると予想されますが、彗星から得られる氷を酸素と水素に分解して、ロケット燃料として利用すれば、コストは大幅に下がるそうです。
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