ニライカナイ
「ニライカナイ」とは、沖縄地方に伝わる理想郷(常世の国)のことである。遥か海の彼方(一説では海底とも)にあるとされ、神々の住まう地であり、現世にもたらされる豊穣の源であり、死者の魂が向かう先でもあるとされる。ニライカナイは一般的には太陽が昇る東または東南の方角にあるとされる。琉球諸島の東方には人の住む大地がない。ニライカナイは人間の辿り着けない彼方にある神域であり他界なのである。
沖縄で信仰されてきた「琉球神道」は、ニライカナイ信仰とも表現される。琉球神道における神々はニライカナイに住まうとされ、来訪神(まれびと)として琉球に訪れるという。
琉球神道には「オボツカグラ」と呼ばれる他界の概念もあった。オボツカグラは天上にある異界とされる。すなわち天界である。オボツカグラには権威的要素が含まれており、民衆にとってはニライカナイの方が近しい他界といえた。ニライカナイは現代でも民間信仰の形で存続している。
「ニライカナイ」の語源・由来
「ニライカナイ」の「ニライ」の語源は定かではないが、いわゆる「根の国(黄泉の国)」の「根」に関連する言葉ではないかと考えられている。「カナイ」には「彼方」の意味であるとか、あるいは語調を整えるための言葉であると考えられている。サンスクリット語の「niraya(地獄)」を「ニライカナイ」の由来と位置づける説もあるが、信憑性のほどは定かでない。
「ニライカナイ橋」とは
「ニライカナイ橋」とは沖縄本島南部、南城市にある全長1200mの橋である。県道86号線のつきしろ方面から国道331号線の吉富交差点を山側に少し下ったところにある。高台から海へ向かって大きなS字を描くように作られている。上方の展望台からは、伸びやかな弧を描くニライカナイ橋と、その先に澄んだ海と空とを見渡すことができる。- ニルヤ・カナヤのページへのリンク