ニョホウチドリとは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 生物 > 植物名 > ニョホウチドリの意味・解説 

女峰千鳥

読み方:ニョホウチドリ(nyohouchidori)

ラン科多年草高山植物園芸植物

学名 Ponerorchis joo-iokiana


ニョホウチドリ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/02/13 07:47 UTC 版)

ニョホウチドリ
赤石山脈聖岳長野県飯田市)、2014年7月
分類APG III
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 Angiosperms
階級なし : 単子葉類 Monocots
: キジカクシ目 Asparagales
: ラン科 Orchidaceae
: ウチョウラン属 Ponerorchis
: ニョホウチドリ P. gjoo-iokiana
学名
Ponerorchis joo-iokiana (Makino) P.F.Hunt[1]
シノニム
  • Orchis joo-iokiana Makino[2][3]
和名
ニョホウチドリ

ニョホウチドリ(女峰千鳥、学名Ponerorchis joo-iokiana (Makino) P.F.Hunt[1])は、ラン科ウチョウラン属に分類される多年草の1[4]和名の「ニョホウ」は、最初に女峰山で採集されたことに由来する[5]。種小名の「joo-iokiana」は、採集者の城数馬と五百城文哉の名前を組み合わせたことに由来する[5]

特徴

草丈は10 - 30 cm[6]は細根と球状塊根からなる[2]。長さ4 - 8 cm、幅4 - 15 mm[6]の披針形のを2 - 3枚付け[4]苞葉は明瞭[2]は球状塊根から直立し[5]、薄青緑色[2]。2 - 8個の紅紫色のをかたまって付ける[4]。花期は7 - 8月[4][6]萼片は長さ0.7 - 1 cm[4]。側唇弁は萼片よりもやや短く、共に先端は尖らない[4]唇弁は浅く3裂し[6]、基部近くに薄紫色の斑点がある[4]。内花被が斜め卵形で鈍頭、唇弁の中裂片が凹頭で側裂片とほぼ同じ長さ[7]は長さ約15 - 17 mm[5]、真直で狭筒形[2]染色体数は2n=42(2倍体)[6]。稀に白い花を付ける品種として[5]、シロバナニョウホウチドリ(Ponerorchis joo-iokiana f. albiflora)がある[4]ハクサンチドリ属に分類されたこともあった[2][7][5]

分布と生育環境

朝鮮半島日本に分布する[6]

日本では、本州福島県関東地方北部、中部地方)に分布し、山地亜高山帯高山帯にかけての[2]岩場や草地に自生する[6]基準標本栃木県日光市の女峰山のもの[4][6]

種の保全状況評価

<準絶滅危惧(NT)環境省レッドリスト

日本では環境省により、レッドリストの準絶滅危惧(NT)の指定を受けている[8]。また以下の都道府県でレッドリストに指定されている。群馬県では2015年4月に、群馬県希少野生動植物の種の保護に関する条例により特定県内希少野生動植物種の指定を受けた[9]。山梨県では、山梨県希少野生動植物種の保護に関する条例により、指定希少野生動植物種の指定を受けている[10]

脚注

[脚注の使い方]
  1. ^ a b 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “ニョホウチドリ”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2017年6月14日閲覧。
  2. ^ a b c d e f g 小野 (1987)、691頁
  3. ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “ニョホウチドリのシノニム”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2017年6月14日閲覧。
  4. ^ a b c d e f g h i 豊国 (1988)、529頁
  5. ^ a b c d e f 佐竹ほか (1982)、199-200頁
  6. ^ a b c d e f g h 清水ほか (2014)、30頁
  7. ^ a b 前沢 (1970)、117頁
  8. ^ 別添資料6-1 環境省レッドリスト2015からの新旧対照表(五十音順) (PDF)”. 環境省. pp. 94. 2017年6月13日閲覧。
  9. ^ 群馬県希少野生動植物の種の保護に関する条例 (PDF)”. 群馬県. pp. 4 (2015年8月). 2017年6月13日閲覧。
  10. ^ 希少野生動植物の保護対策”. 山梨県 (2014年7月22日). 2017年6月13日閲覧。
  11. ^ 埼玉県レッドデータブック2011 植物編、維管束植物 (PDF)”. 埼玉県. pp. 218 (2016年12月13日). 2017年6月13日閲覧。
  12. ^ レッドデータブックとちぎ、「ニョウホウチドリ」”. 栃木県. 2017年6月13日閲覧。
  13. ^ 石川県/ いしかわレッドデータブック植物編2010 (PDF)”. 石川県. pp. 237. 2017年6月13日閲覧。
  14. ^ 福井県の絶滅のおそれのある野生動植物2016 (PDF)”. 福井県. pp. 305. 2017年6月13日閲覧。
  15. ^ 群馬県の絶滅のおそれのある野生生物 植物編(2012年改訂版)植物レッドリスト(2012年改訂版) (PDF)”. 群馬県. pp. 9. 2017年6月13日閲覧。
  16. ^ 長野県版レッドリスト(植物編)2014年、維管束植物 (PDF)”. 長野県. pp. 10. 2017年6月13日閲覧。
  17. ^ 岐阜県の絶滅のおそれのある野生生物(植物編)改訂版-岐阜県レッドデータブック(植物編)改訂版- (PDF)”. 岐阜県. 2017年6月13日閲覧。
  18. ^ 富山県の絶滅のおそれのある野生生物-レッドデータブックとやま2012-、分類別(維管束植物)”. 富山県 (2013年9月10日). 2017年6月13日閲覧。
  19. ^ 山梨県 レッドデータブック (平成17年6月公開)、植物(テキスト)”. 山梨県 (2014年7月22日). 2017年6月13日閲覧。
  20. ^ 静岡県版レッドリスト、植物 (PDF)”. 静岡県. pp. 6 (2016年3月11日). 2017年6月13日閲覧。

参考文献

関連項目

外部リンク



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「ニョホウチドリ」の関連用語

ニョホウチドリのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



ニョホウチドリのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのニョホウチドリ (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS