テレビ時代劇におけるフィルム撮影
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/14 09:27 UTC 版)
「時代劇」の記事における「テレビ時代劇におけるフィルム撮影」の解説
テレビ用時代劇は他のテレビ番組が急速にビデオ撮影による収録に切り替わっていく中、1990年代後半までは映画用フィルムによる撮影を主流とし、「ドラマ」というよりは「映画」的なコンテンツとして特異な地位を確立していた。これは時代劇と刑事ドラマと特撮ヒーロー番組に言える特徴であった。当時時代劇ドラマにおいては、ビデオ映像にあえて映画フィルム風の映像補正をかけることが良く行われていた。これはVTR撮影が常識となった時代においても、フィルム画像ならではの“味”を愛好する人が製作者にも視聴者にも多いためであるといわれているが、これは役者のカツラと素肌の境目がくっきりと見えたり、室内のセットが明瞭すぎて現実感が乏しくなることを避けるためとされている。また、下級武士や農民の生活などその時代の雰囲気を出すために最近でもハイビジョン映像で撮影したものをあえて画像を落として放送する場合がある。 フィルム撮影はVTR撮影よりも多額の費用が発生することから1990年代以降減ってきたが、フジテレビは1998年以降のフィルム作品において「スーパー16」規格で撮影している。スタンダードサイズの画角ではなくビスタサイズの画角で撮影し、劇場公開やHDTV放送などの「ワンソフト・マルチユース」に対応することで長期的な費用回収を可能にし、フィルム撮影の存続の可能性を確保している。
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