ツーピースのHBT作業服
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/07 04:15 UTC 版)
「軍服 (第二次世界大戦の米陸軍)」の記事における「ツーピースのHBT作業服」の解説
薄い緑がかったOD色のHBT製のジャケットとズボンからなるツーピースの作業服である。太平洋戦線の将兵の多くがこれを野戦服にしていた。衣服が薄い点が高温多湿の太平洋戦線に向いており、上記のつなぎ作業服や欠陥が多かった後述のM1942迷彩ジャングルスーツに変わって広く使用されることになった。ヨーロッパ戦線でも夏野戦服として使用された。 M1942(初期型)ツーピース作業服は、両胸に中央に箱型プリーツの入った貼り付けフラップ・ポケットが付けられており、長方形の蓋はボタンで閉じる。蓋とポケットは左右下端が斜めにカットされた形状になっている。前合わせは5個のボタンで閉じる。腰にはウェストバンドがあり、前合わせを2個のボタンで閉じた。袖にはカフ部分があり、2個のボタンで調節が可能だった。後身頃にはサイドプリーツがあり、それにより腕の動きを円滑にしている。ズボンは左右の腰と尻に切り込みポケットがある。 しかしこの初期型は凝った作りだったため量産に不向きだったうえ、戦闘服としては色が明るすぎたり、ポケットの収容量が少ないなどの欠点があった。そのため量産しやすいM1943(中期型)が登場する。これは色がやや暗いOD色であるほか、前合わせは6個の黒い金属のボタンになり、両胸の貼り付けポケットのプリーツは中央ではなく周囲にアコーディオン式に設けられた。蓋とポケットの左右下端の斜めカットされたデザインも廃止されてシンプルな四角形になっている。ズボンも切り込みポケットではなく、貼り付けポケットに変更されている。 さらに1943年半ばに登場したとみられるM1943の後期型では、上衣とズボンのポケットのプリーツの位置が中央と下側になり、プリーツはポケット用生地の中央と下端を段折りした後に左右の端と下端を前身頃に縫い付けるだけというシンプルなものとすることで、生産工程の簡略化が図られている。 中期型のツーピース作業服(2017年フランス・ベルフォールでの歴史再現イベント) ツーピース作業服のズボン中期型(2015年フランス・ベルフォールでの歴史再現イベント)
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