タマリンとは? わかりやすく解説

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タマリン【tamarin】

読み方:たまりん

オマキザル科タマリン属の哺乳類総称リス大の小形果実昆虫主食とする。パナマからアマゾン川流域にかけて分布

タマリンの画像
ウェッデルタマリン
タマリンの画像
シロクチタマリン
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タマリン

名前 Tamarin

タマリン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/11/03 14:28 UTC 版)

Saguinus
分類
ドメイン : 真核生物 Eukaryota
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 哺乳綱 Mammalia
: 霊長目 Primates
: オマキザル科 Cebidae
亜科 : マーモセット亜科 Callitrichinae
: タマリン属 Saguinus
学名
Saguinus Hoffmannsegg, 1807[1]
模式種
Saguinus ursula Hoffmannsegg, 1807[1]
和名
タマリン属[2]

タマリンは、哺乳綱霊長目オマキザル科(マーモセット科とする説もあり)に分類される広義のSaguinus属(タマリン属)、もしくは狭義のSaguinus属と別属とする説のあるLeontocebus属(セマダラタマリン属)などの総称。

生息域

タマリンは中央アメリカ南部から南アメリカコロンビア北西部、アマゾン盆地ギアナ地方に分布している。

特徴

外見は種によって異なり、全身が黒い体毛で覆われている種から黒、茶、白などの模様を形成している種まで存在する。顔に顎髭様の体毛が生えるのが多くの種での特徴である。体長は13から30 cm (尾を入れると25 - 44 cm)、体重は220 - 900 g程度である。タマリンがマーモセットと異なるのは、下犬歯が明らかに切歯より長い点である。飼育下での寿命は18年程度である。

生態と繁殖

タマリンは昼行性熱帯雨林の樹上にて生息する。樹上では、素早く行動することができる。40頭ほどの多家族からなる群を形成することもあるが、通常は、3−9頭ほどであることが多い。

雑食性であり、果物やそのほかの植物クモ昆虫、小型の脊椎動物などを食べる。類人猿以外の霊長類としては、食料の分配行動が確認される種として知られる(更科功 『絶滅の人類史』 NHK出版 2018年 p.74)。

妊娠期間は140日程度であり、双子を産むことが多い。メスばかりではなく、成熟したオスや、未成熟な個体も養育に参加する。生後約1か月頃から固形物を食べ始め、完全に離乳するには2 - 3か月である。成熟には2年かかる。タマリンはほぼ例外なく、一雌多雄制をとる。

分類

Leontocebus (Saguinus nigricollis group)

Tamarinus (S. mystax+inustus group)

Saguinus (S. bicolor+midas group)

Oedipomidas (S. oedipus group)

タマリン属(広義)内部の系統図[3][4]

タマリン属の属名Saguinusは、Tupi語のsagui, saguinに由来する[2]。古くはライオンタマリン属LeontopithecusとともにLeontocebus属に分類されたこともある[2]

タマリン属は6つの種群(S. nigricollis group・S. mystax group・S. midas group・S. inustus group・S. bicolor group)に区別されていた[2]。2016年に分子系統解析から11,000,000 - 8,000,000年前に分岐した系統で他のタマリン類とは遺伝的距離が大きいとして、本属のシノニムとされていたLeontocebus属を復活させてクロクビタマリンなどを分割する説が提唱された[1]。一方で2018年にはタマリン属Saguinusを、Leontocebusも含めた3亜属(Leontocebus, Saguinus, Tamarinus。ただしダスキータマリンのみincertae sedis)とする説が提唱された[5]。2022年にはワタボウシタマリンなど(S. oedipus group)をOedipomidas属に分割し、Saguinus亜属(S. bicolor group・S. midas group)とTamarinus亜属(S. mystax group・S. inustus group)もそれぞれ独立した属とする説が提唱されており、この説に従うと広義のタマリン属はLeontocebusSaguinusTamarinusOedipomidasの4属に区別される[3]。2022年や2023年に提唱された分類体系では、ダスキータマリンはTamarinus属に含まれている[3][4]

以下の広義のSaguinus属の分類は、付記のない限りGarbino & Martins-Junior (2018) に従う[5]。和名・英名は分類に変更のない限り、日本モンキーセンター霊長類和名リスト (2024) に従う[6]

出典

  1. ^ a b c Anthony B. Rylands et al., "Taxonomic review of the New World tamarins (Primates: Callitrichidae)," Zoological Journal of the Linnean Society, Volume 177, Issue 4, 2016, Pages 1003 - 1028.
  2. ^ a b c d e 岩本光雄「サルの分類名(その6:マーモセット科)」『霊長類研究』第4巻 2号、日本霊長類学会、1988年、134-144頁。
  3. ^ a b c d e f Isabela Carvalho Brcko, Jeferson Carneiro, Manuel Ruiz-García, Jean Philippe Boubli, José de Sousa e Silva-Júnior, Izeni Farias, Tomas Hrbek, Horacio Schneider & Iracilda Sampaio, “Phylogenetics and an updated taxonomic status of the Tamarins (Callitrichinae, Cebidae),” Molecular Phylogenetics and Evolution, Volume 173, Elsevier, 2022, Article 107504.
  4. ^ a b c d e f g Gerson Paulino Lopes, Fábio Rohe, Fabrício Bertuol, Érico Polo, João Valsecchi, Tamily Carvalho Melo Santos, Felipe Ennes Silva, Ivan Junqueira Lima, Ricardo Sampaio, Maria Nazareth Ferreira da Silva, Claudia Regina Silva, Jean Boubli, Rodrigo Costa-Araújo, Benoît de Thoisy, Manuel Ruiz-García, Marcelo Gordo, Iracilda Sampaio, Izeni Pires Farias & Tomas Hrbek, “Molecular systematics of tamarins with emphasis on genus Tamarinus (Primates, Callitrichidae),” Zoologica Scripta, Volume 52, Issue 6, Royal Swedish Academy of Sciences, 2023, Pages 556-570.
  5. ^ a b Guilherme S.T. Garbino, Antonio M.G. Martins-Junior, "Phenotypic evolution in marmoset and tamarin monkeys (Cebidae, Callitrichinae) and a revised genus-level classification," Molecular Phylogenetics and Evolution, Volume 118, 2018, Pages 156 - 171.
  6. ^ 日本モンキーセンター霊長類和名編纂ワーキンググループ 「日本モンキーセンター 霊長類和名リスト 2024年7月版」(公開日2024年8月15日・2024年9月13日閲覧)
  7. ^ 名取真人「頭蓋計測値に基づくクラライ(ペルー)のキンイロマントタマリンとアカマントセマダラタマリンの相違」『霊長類研究』第23巻 2号、日本霊長類学会、2007年、71-80頁。
  8. ^ Gerson Paulino Lopes, Fábio Rohe, Fabrício Bertuol, Erico Polo, Ivan Junqueira Lima, João Valsecchi, Tamily Carvalho Melo Santos, Stephen D. Nash, Maria Nazareth Ferreira da Silva, Jean P. Boubli, Izeni Pires Farias & Tomas Hrbek, 2023. “Taxonomic review of Saguinus mystax (Spix, 1823) (Primates, Callitrichidae), and description of a new species,” PeerJ, Volume 11, e14526.

関連項目


タマリン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/17 04:11 UTC 版)

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モロク行き倒れているところを保護されレンジャー青年仲間たち一緒に異世界旅立ったまではよかったが、次元の狭間地割れに気づかず落ちてしまう。そこで燃え盛る炎の大地「フレイムヴァレー」を発見した

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