ソルバトクロミズム
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ソルバトクロミズム(Solvatochromism)は、溶媒の極性の変化によってその化学物質の色調が変化する現象のことである[1][2]。溶媒の極性の増加によって、負の溶媒和発色は浅色シフト(青色シフト) し、正の溶媒和発色は深色シフト(赤色シフト)する。ソルバトクロミズムの兆候は基底状態と励起状態間の染料分子の双極子モーメントの違いに依存する。
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- ^ Marini, Alberto; Muñoz-Losa, Aurora; Biancardi, Alessandro; Mennucci, Benedetta (2010年). “What is Solvatochromism?”. J. Phys. Chem. B 114 (51): 17128–17135. doi:10.1021/jp1097487.
- ^ Reichardt, Christian; Welton, Thomas (2010). Solvents and solvent effects in organic chemistry (4th, updated and enl. ed.). Weinheim, Germany: Wiley-VCH. pp. 360. ISBN 9783527324736.
- ^ Heller, Daniel A.; Pratt, George W.; Zhang, Jingqing; Nair, Nitish; Hansborough, Adam J.; Boghossian, Ardemis A.; Reuel, Nigel F.; Barone, Paul W. et al. (2011年). “Peptide secondary structure modulates single-walled carbon nanotube fluorescence as a chaperone sensor for nitroaromatics”. PNAS 108 (21): 8544-8549. doi:10.1073/pnas.1005512108.
- 1 ソルバトクロミズムとは
- 2 ソルバトクロミズムの概要
ソルバトクロミズム
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/12/27 02:14 UTC 版)
溶液では遷移エネルギーや錯体の色が溶液の比誘電率によって変化し、電荷遷移にバリエーションが生まれる。これは配位子のπ→π*遷移とは区別される。
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ソルバトクロミズム
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/01/21 13:57 UTC 版)
ソルバトクロミズム (solvatochromism) は、色素、あるいは金属錯体の溶液について、溶媒 (solvent) の種類によりその色が変わるクロミズムのことである。この現象は、溶質分子の電子軌道のエネルギー準位が、溶媒分子の極性や屈折率、水素結合などの分子間相互作用の強弱により影響を受けて安定化もしくは不安定化し、吸収される光の波長が変わることであらわれる。金属錯体のソルバトクロミズムでは、溶媒和(溶媒分子が金属に配位すること)の有無や電子のスピン状態の変化、それらにともなう配位場の変化によることも多い。 また、ソルバトクロミズムが特に顕著な色素を、ソルバトクロミック色素と呼ぶ。代表例の一つとして、1960年代に Reichardt らにより詳しく調べられた Reichardt's dye (2,6-diphenyl-4-(2,4,6-tripheynylpyidinio)phenolate) が挙げられる。ベタイン構造を持つこの分子は、以下のようなソルバトクロミズム特性を示す。この色素は、溶媒の性質を調べる目的でも用いられる。 Reichardt's dye の色変化溶媒色25 %エタノール水溶液 橙 メタノール 赤 エタノール 紫 アセトン 青 ジクロロメタン 青緑 ベンゼン 黄緑 ソルバトクロミズムを示す金属錯体としては、ニッケル錯体の一種である [Ni(acac)(tmen)]BPh4 が挙げられる(acac = アセチルアセトナート(アセチルアセトンの共役塩基)、tmen = テトラメチルエチレンジアミン)。この化合物は、アセトン中では褐色、ジクロロメタン中では赤色、メタノール中では青色を呈する(室温)。この色変化は、溶媒分子の配位による錯体の構造変化に由来する。 身近なソルバトクロミック物質としては、脱水剤などに含まれている塩化コバルト(II) がある。塩化コバルト(II) は無水状態あるいは有機溶媒中では青いが、水が存在すると赤くなるため、湿度を知る目安として広く利用されている。 これら 2種の金属錯体は、ともに有機溶媒中においてサーモクロミズム特性をも示す。
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