ソルバトクロミック効果
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/05/21 08:45 UTC 版)
「ブルッカーメロシアニン」の記事における「ソルバトクロミック効果」の解説
MOEDが溶媒に溶けた際、その色は溶媒の極性によって変化する。一般的には、極性が高いほど吸収する光の波長が短くなり、深色シフト(英語版)(溶液の色が暖色になる)が起きる。溶液がある波長の光を吸収すると、溶液はその補色に色づく。ゆえに、水のような極性の高い溶媒に溶かした場合、MOED溶液は黄色(波長435-480 nmに相当する青色の補色)になるが、水より極性の低いアセトンに溶かした場合は紫や青(波長560-595 nmに相当する黄色から緑の補色)になる。この効果は、極性溶媒中ではメロシアニンの基底状態が安定化され、励起状態とのエネルギー差が大きくなるため、その分エネルギーの大きい短波長の光が吸収されることにより発生する。同様に、溶媒のプロトン性もMOEDの色に影響する。水や酸などの水素イオンを供与しやすい溶媒は水素結合に作用したり裸のプロトンを供与したりして双性イオンが有利なようにすることで、可視光の吸収スペクトルに影響する。この例として、水よりも極性の低い酢酸でも、水と同じように黄色い溶液ができることが挙げられる。
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