スペース (ローマ神話)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/10/24 03:08 UTC 版)
スペース[1](ラテン語: Spes)はローマ神話に登場する希望の女神[1]。希望を擬人化した存在で、その名は「希望」の意[1]。
ローマ市内に複数の神殿があったが、その中で最古のものは第一次ポエニー戦争中の紀元前258年に、執政官のアウルス・アティーリウス・カーラーティーヌスにより祈願、奉献された社殿で、フォルム・ホリトーリウム(野菜市場)にあった[1]。これは、紀元前213年と西暦7年に2回焼失してその度に復元された[2]。紀元前110年にはカプアに、スペース、フィデース、フォルトゥーナの3神の神殿が建てらた[3][4]。祭礼は8月1日だった[1]。
美術作品においては長衣を纏い、右手に花を持ち軽やかに歩く乙女の姿に表された[1]。また、ギリシア神話における、パンドーラーの甕の底に残ったエルピスに比定された[1]。
スペース(希望)は後にキリスト教においても、七元徳の内の対神徳の1つとされ、プルーデンティウスの詩などに歌われた[1]。
脚注
出典
- ^ a b c d e f g h 松原國師『西洋古典学事典』京都大学学術出版会、2010年、679頁。
- ^ Burn, Robert (1871), Rome and the Campagna: An Historical and Topographical Description of the Site, Buildings, and Neighbourhood of Ancient Rome..., Cambridge: Deighton, Bell, & Co., p. 305
- ^ Momigliano, Arnaldo (1987), “Religion in Athens, Rome, and Jerusalem in the First Century B.C.”, On Pagans, Jews, and Christians, Wesleyan University Press, p. 75
- ^ Inscriptiones Latinae Selectae 3770.
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