スタテン島フェリーとは? わかりやすく解説

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スタテンアイランド・フェリー

(スタテン島フェリー から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/08/14 06:23 UTC 版)

スタテンアイランドフェリー
Staten Island Ferry
所在地 ニューヨーク市マンハッタン - スタテンアイランド
水路 アッパー・ニューヨーク湾
輸送の種類 乗客運搬フェリー
運営者 ニューヨーク市運輸局
運行開始 1817年
全長 5.2 mi (8.4 km)
経路数 1
船舶数 8
ターミナル数 2 (ホワイトホールセント・ジョージ)
日乗客数 1日平均65,479人 (2016年7月から2017年6月まで)[1]

スタテンアイランドフェリー英語:Staten Island Ferry、スタテン島フェリー)は、ニューヨーク市マンハッタン区スタテンアイランド区の間を航行するフェリー

概要

ニューヨーク港の航空写真に表示したアッパー・ニューヨーク湾を横切るフェリーのルート。(黄色)

フェリーは、バッテリー・パーク近くのマンハッタンの南端に位置する、ホワイトホール・ターミナルから出発し、スタテンアイランドのリッチモンド郡役所付近にある、セント・ジョージ・ターミナルへ到着する。フェリーは、365日24時間営業している。また、96パーセントは、時間通りに航行している。フェリーは、1905年からニューヨーク市が運営しており、5.2マイル(8.4㎞)の距離で、毎年2100万人を輸送している。

所要時間は約25分、料金は無料である。乗客は、どちらかに上陸しなければならず、沿岸警備隊などの規則により、往復する場合でも、一度ゲートの外へ出てからもう一度入らなければならない[2]自転車も積み込める場合がある。昔は、自動車も1台3ドルで輸送できたが、アメリカ同時多発テロ以来、許可されていない。

フェリーの料金は、もともとニューヨーク市地下鉄と同じ5セントだった。1948年地下鉄の料金が10セントに値上げされてからも、そのままであった。1970年には、当時の市長、ジョン・リンゼイが25セントまで値上げすることを提案し、1975年8月4日に、25セントとなった。1990年には50セントまでにもなったが、1997年から無料化されている。無料化は2019年現在も継続中[3]

乗客は主に通勤客で、セント・ジョージ・ターミナルは、スタテンアイランド鉄道の終着駅であり、駐車場には、多くの人が車を駐車している。また、航行中に自由の女神像が見えることから、観光客にも人気がある。

歴史

現役の船隊

ケネディクラス
ケネディクラス(セント・ジョージ・ターミナルにて)
バーベリクラス(アッパー・ニューヨーク湾にて)

スタテンアイランドフェリーは、5.2マイル(8.4㎞)の距離を約25分で、毎年1900万人以上もの乗客を輸送しており、24時間営業している。1日に5隻ほどの船で、約104回航行し、7万5千人を輸送している。年間では、3万3千回以上も航行している。

ラッシュアワーでは、通常15〜20分間隔で運行しており、昼間や夜間は30分間隔まで減便される。深夜・早朝には60分間隔になる。週末は、30分、60分間隔で運行されていたが、2006年11月から午前中は30分間隔となった。これは、歴史的に大きな変化である。

現在、現役の船舶は、4種類の8隻である。

  • ケネディ・クラス(ジョン・F・ケネディ、アメリカン・リージョン、ガバナー・ハーバート・H・リーマン)
1965年に建造。乗客定員:3500人、積載台数:40台、全長:297フィート(91メートル)、全幅:69フィート10インチ(21.3メートル)、喫水:13フィート6インチ(4.1メートル)、総トン数:2,109トン、航海速力:16ノット(30㎞/h)、エンジン:6,500馬力(4.8MW)。
  • バーベリ・クラス(アンドリュー・J・バーベリ、サミュエル・I・ニューハウス)
1981、1982年に建造。乗客定員:6000人、積載台数:0台、全長:310フィート(94メートル)、全幅69フィート10インチ(21.3メートル)、喫水:13フィート6インチ(4.1メートル)、総トン数:3,335トン、航海速力:16ノット(30㎞/h)、エンジン:7,000馬力(5.2MW)。
  • オースティン・クラス(アリス・オースティン、ジョン・A・ノーブル)
1986年に建造。乗客定員:1280人、積載台数:0台、全長207フォート(63メートル)、全幅40フィート(12.2メートル)、喫水:8フィート6インチ(2.6メートル)、総トン数:499トン、航海速力:16ノット(30㎞/h)、エンジン:3,200馬力(2.4MW)
  • モリナリ・クラス(ガイ・V・モリナリ、セナター・ジョン・J・マルチ、スピリット・オブ・アメリカ)
乗客定員:4500人、積載台数:40台。マニトウォク・マリン・グループにより、古いニューヨークのフェリーを再現して建造された。最初に建造されたのは、ガイ・V・モリナリ号で、スタテンアイランド区長などをつとめたガイ・V・モリナリの名をとって命名された。同船は2005年に就航した。第2船は、ニューヨーク州議会議員のジョン・マルチの名をとっている。第3船であるスピリット・オブ・アメリカは、フェリーがB&O鉄道からニューヨーク市に引き継がれたことの100周年を記念し、2005年10月25日に就航した。

主なトラブル

  • 1958年2月8日、ドンガンヒルズにノルウェータンカー、タインフィールドが衝突し、15人が負傷した[4]
  • 1978年11月7日、アメリカン・リージョンが濃霧の中、リバティ港に衝突し、173人が負傷した[5]
  • 1981年5月16日、アメリカン・リージョンが、ノルウェーの貨物船に衝突された。
  • 1986年7月7日、狂ったフアン・ゴンザレスが、2フィートの刃物で乗客を襲い、2人が死亡、9人が負傷した[6]
  • 1995年4月12日、アンドリュー・J・バーベリが、セント・ジョージに機械の故障により衝突し、数人が負傷した。
  • 1997年9月19日、スタテン島の埠頭で、ジョン・F・ケネディから車が突っ込み、ドライバーと甲板員が軽傷を負った[7]
  • 2003年10月15日、午後3時21分、アンドリュー・J・バーベリが、セント・ジョージ・ターミナルの東端の桟橋と衝突し、一番下の客室が引き裂かれ、11人が死亡、たくさんの人が負傷した。詳細は「2003年スタテンアイランドフェリー衝突事故」参照。アンドリュー・J・バーベリは、修理後、2004年7月1日に再び就航している。
  • 2004年3月7日、スポルディング・グレイの遺体が2人によってイースト川で発見された。スタテンアイランドフェリーから飛び込み、自殺したとみられる。
  • 2009年7月1日、午後7時9分、ジョン・J・マルチが、パワーを失い、セント・ジョージ・ターミナルへ全速力で衝突し、15人が軽傷を負った[8][9]
  • 2009年11月6日マンハッタンのフェリーターミナルにて、乗客が出発しかけた船に乗るため、ドアを開けようとし、暴動が起きた。1人が逮捕され、3人が軽傷を負った。
  • 2010年5月8日、アンドリュー・J・バーベリがセント・ジョージ・ターミナルへ接近する際、逆推進が効かなくなり、減速できず、埠頭に衝突した。37人が負傷した[10]

大衆文化におけるスタテンアイランドフェリー

文学

映画・テレビ

出典

  1. ^ Mayor’s Management Report Fiscal 2017”. nyc.gov. City of New York. p. 272 (September 2017). September 19, 2017閲覧。
  2. ^ http://www.flickr.com/photos/hbomb/11426956
  3. ^ 米NYの観光詐欺ツアー、地元出身のアレック・ボールドウィンさんも被害に”. CNN (2019年10月9日). 2019年10月9日閲覧。
  4. ^ “Tanker Collides With N.Y. Ferry”. Los Angeles Times. (February 9, 1958). http://latimesblogs.latimes.com/thedailymirror/files/1958_0209_cover.jpg 2010年2月13日閲覧。 
  5. ^ Blum, Howard (November 8, 1978). “173 Hurt in Staten Island Ferry Crash”. The New York Times. http://select.nytimes.com/gst/abstract.html?res=F50B11FF3D5511728DDDA10894D9415B888BF1D3 2010年2月21日閲覧。 
  6. ^ McFadden, Robert D. (July 8, 1986). “Man with Sword Kills 2 and Wounds 9 on S.I. Ferry”. The New York Times. http://www.nytimes.com/1986/07/08/nyregion/man-with-sword-kills-2-and-wounds-9-on-si-ferry.html 2010年2月21日閲覧。 
  7. ^ Barron, James (September 20, 1997). “Long Drive Off Short Ferry Puts Commuter in the Bay”. The New York Times. http://www.nytimes.com/1997/09/20/nyregion/long-drive-off-short-ferry-puts-commuter-in-the-bay.html 2010年2月21日閲覧。 
  8. ^ DAnna, Eddie (July 2, 2009). “Transformer failure caused Staten Island Ferry crash, officials say”. Staten Island Advance. http://www.silive.com/northshore/index.ssf/2009/07/transformer_failure_caused_sta.html 2010年2月13日閲覧。 
  9. ^ Rosenberg, Chloe; Goldiner, Dave (July 2, 2009). “Staten Island ferry crash at St. George Terminal caused by faulty transformer”. Daily News (New York). http://www.nydailynews.com/ny_local/2009/07/02/2009-07-02_faulty_transformer_caused_staten_island_ferry_hard_.html 2010年2月13日閲覧。 
  10. ^ Chapman, Ben; Nocera, Kate; Kemp, Joe; Lemire, Jonathan (May 8, 2010). “Staten Island Ferry in Fatal 2003 Crash Slams into Terminal Again”. Daily News (New York). http://www.nydailynews.com/ny_local/2010/05/08/2010-05-08_staten_island_ferry_with_hundreds_onboard_slams_into_st_george_dock_more_than_a_.html 2010年5月9日閲覧。 

外部リンク


スタテン島フェリー

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/10 02:22 UTC 版)

セント・ジョージ・ターミナル」の記事における「スタテン島フェリー」の解説

詳細は「スタテン島フェリー」を参照 セント・ジョージ・フェリー・ターミナルは、マンハッタン側のホワイトホール・ターミナルとを結ぶスタテン島フェリーの、スタテン島側のターミナルである。フェリーは現在、24時間営業している。スタテン島フェリーは、8.4所要25分を104回の航行で、1900万人乗客乗せて航行している。フェリーは、毎年33,000回以上の航行行っている。通常1520分間隔の運行をしているが、乗客少な時間帯夜間などには、30分間隔まで減少するまた、深夜早朝には1時間に1本となる。2006年11月からは、週末早朝30分間隔での運行始めた。 港から リッチモンド・テラスから

※この「スタテン島フェリー」の解説は、「セント・ジョージ・ターミナル」の解説の一部です。
「スタテン島フェリー」を含む「セント・ジョージ・ターミナル」の記事については、「セント・ジョージ・ターミナル」の概要を参照ください。

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