ボルネオのサラワクおよびそれに続く西部カリマンタンに分布している樹種で、泥炭湿地林にのみ生育しています。ボルネオ西部に産する非フタバガキ科の代表的な木材の一つです。この木材は、板目面で一番はっきりわかるのですが、小さい濃色にみえる孔が多数あります。よく事情を知らないと、虫の孔のようにみえ、そのために日本ではあまり好まれません。したがって、家具の材料として主として家具の枠組みに使われているため消費者の人々にはあまり知られていません。丸太を取扱う際は内樹皮にある厚壁繊維がバラバラになって、皮膚に刺さり、それが原因で皮膚炎をおこすことがあります。 ■木材 心材と辺材の色の差は少なく、淡橙褐色ないし淡桃褐色などです。上述の虫の孔のようにみえるのは、材内師部という特殊な組織が、細いひものように放射方向に向かってつながっていて、その組織が乾燥すると収縮するため孔になったものです。したがって、木材がもともともっている性質です。東南アジアでは、この木材を濃色に塗装して表面が出るような用途に使っています。ジョンコンが家具の枠組みとして用いられる理由の一つとして、メランチなどと違って、製品になってから虫の害を受けることがほとんどないことが挙げられます。熱帯材としては肌目がやや精ということが出来ます。木理は一般に通直です。加工はし易く、良く仕上がります。しかし、保存性は低いとされています。気乾比重は0.44~0.54です。 ■用途 家具がもっとも多く、枠組み材として用いられています。東南アジアでは細工物あるいは彫刻などに、濃色に仕上げて使っています。 |