目盛り付き定規の使用
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/21 09:56 UTC 版)
「定規とコンパスによる作図」の記事における「目盛り付き定規の使用」の解説
アルキメデスとアポロニウスは目盛りを打つことができる定規を作図問題に取り入れている。これを使えば、1つの線分・2つの直線(または円)・1つの点を与えられたとき、与えられた点を通り与えられた2直線に交わりその2交点の間の距離が与えられた線分と同じである直線を引くといったようなこともできる。これをギリシャ人は直線が点に向かっていくように見えることから「傾向」という意味の neusis(en) と呼んだ。 この作図はエウクレイデス(ユークリッド)の『原論』が扱っている幾何学の範囲を超えるものであり、エウクレイデスの幾何学では neusis に関する公理も定理もそもそもその存在さえも扱われておらず、したがってそれをつかった作図もすることはできない。この広い意味の幾何学では、既知の長さから三次または四次方程式の解として得られる比を持つ長さならば作図できる。これは目盛りの打てる定規と neusis を使えば角の三等分および立方倍積ができるということである(一方、円積問題についてはやはり不可能なままではあるが)。これによって、正七角形、正九角形などいくつかの正多角形が作図可能となり、ジョン・コンウェイはそのようなもののいくつかについて作図法を与えている。それでも正十一角形など無数に作図不可能なものが存在するのである。 角の三等分のみを許すときの(上で述べた正七角形や正十三角形、正十九角形というようなものを含む)全ての作図可能な正多角形についての完全な記述は既に知られている。無限に多くの素数 p に対する正 p-角形が定規とコンパスと角の三等分器を使って作図可能であるかどうかは知られていない。
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