シリアの化学兵器問題
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/09 22:24 UTC 版)
「バラク・オバマ」の記事における「シリアの化学兵器問題」の解説
2013年8月21日にかねてから内戦状態であったシリアの首都ダマスカスの郊外で化学兵器サリンが使用されたと報じられた。ジョン・ケリー国務長官はシリア政府が使ったことは「否定できない」と発言するが、化学兵器の使用をシリア政府が行ったものか、反アサド政権組織が行ったものかは特定されなかった。こうした中、オバマは国連安保理の決議無しでもシリアへ軍事介入する姿勢を見せ、化学兵器の使用についてアサド政権によるものだとの結論に達したと述べ、また、イラク戦争と今回の違いを主張した。しかし、イギリスの参戦が見込めなくなり、また国内からのオバマに対する批判の声が多々挙がり、8月31日にオバマはアメリカ合衆国議会の承認を得た上でアサド政権に対する限定的な武力行使に踏み切ると表明した。オバマは議員との夕食会に参加し武力介入の支持を求めている。 化学兵器の使用は反体制派に拘束されていた記者が反体制派内の会話から「欧米の軍事介入を誘発するために実施したものだ」と聞いている。また、調査報道記者のシーモア・ハーシュは、シリア内戦に参戦している反アサド政権組織アル=ヌスラ戦線がサリンの製造方法を熟知し、大量に製造する能力を持つという報告が既にオバマに対して上げられていたが、オバマは軍事介入への正当化のためその情報を意図的に排除していたと指摘している。9月にシリアの化学兵器を国際的な管理のもとで廃棄していくこと、並びにシリアの化学兵器禁止条約への加盟をロシアは提案した。この提案にアメリカも合意をしたことからシリアへの侵攻は見送られた。
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