シリアでのキリスト教徒の立場
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/13 01:37 UTC 版)
「シリアのキリスト教」の記事における「シリアでのキリスト教徒の立場」の解説
ダマスカスでペトロが宣教していた頃のシリアは、キリスト教を受容した最初の地域の一つであった。世界のどこよりも多くのキリスト教徒がダマスカスにいた。ウマイヤ朝によるシリアやアナトリア半島への軍事的拡張の後は、イスラム教の教えが実践されるようになって多くがムスリムになった。 今日では、ダマスカスには無視できない規模のキリスト教徒がおり、教会は街の至る所にあり、特にバーブ・トゥーマ(英語版)に密集している。ミサは毎週日曜日に行われ、シリアでは日曜日は仕事をする曜日であるにも拘わらず、公務員は日曜日に教会に出席することが許されている。公式なシリアの週末が金曜日と土曜日となっているが、キリスト教徒が寄付して作られた学校は土曜日と日曜日を週末としている。 シリアのアサド政権は世俗主義を掲げており、宗教的少数派は寛容に扱われているため(2012年7月にダマスカスで起きた反政府テロにより死亡したラジハ国防相の様に政府や軍、バアス党の高官の中にもキリスト教徒が存在する)、2011年5月、国際キリスト教人権監視団体(英語版)はシリアのキリスト教徒は反政府運動を政府そのものより恐れていると指摘しており、その懸念通り、アルカイダ系反政府勢力のアル=ヌスラ戦線や過激派組織ISILが政府軍を放逐したイドリブ県やラッカ県などでは改宗や人頭税(ジズヤ)が課されたり、場合によっては処刑される事案も発生している。
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