シリアでの活動
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/30 00:00 UTC 版)
シリア内戦でシリアとイラクの国境管理が疎かになるとISIはシリアに転戦し、アラウィー派に属するシリアの大統領バッシャール・アル=アサドと敵対した。ISIは反アラウィー派のジハーディストたちが合流し、1万数千人もの巨大組織に成長した。 2013年4月、バグダーディーは、シリアで活動するヌスラ戦線がISIの下部組織で、今後はヌスラ戦線と合併して組織をISIから「イラクとレバントのイスラム国(略称:ISIL)」、別称「イラクとシリアのイスラム国(略称: ISIS)」に改称するとの声明を出し、シリアへの関与強化を鮮明にした。同年7月、検問所での通行許可を巡り口論となった自由シリア軍の司令官を殺害した。 2013年8月、アレッポ近郊のシリア空軍基地を制圧。同年9月、自由シリア軍がシリア軍から奪還し1年近く支配下に置いていたトルコ国境沿いのアッザーズ(英語版)を戦闘の末に奪取、制圧した。アッザーズ制圧の際、現地で活動していたドイツ人医師を拘束している。 ISILは、アルカーイダと関連のある武装集団だが、2013年5月に出されたアイマン・ザワーヒリーの解散命令を無視してシリアでの活動を続けているなど、アルカーイダやヌスラ戦線との不和が表面化した。この不和の原因はISILの残虐行為が挙げられており、実際にアルカイダを上回る残虐な組織であるとの指摘するメディアもある。2014年2月には、アルカイダ側がISILとは無関係であるとの声明を出した。シリア内戦の反政府派とも衝突しており、一部のシリアの反政府派は連合を組んでISILを攻撃した。シリア反体制活動家は、ISILについて「アサド大統領よりも酷い悪事を働いている」と語っている。 2014年2月には支配地のラッカでキリスト教徒に対して、課税(ジズヤ)及び屋外での宗教活動の禁止を発表した。 また、シリアの油田地帯を掌握し、原油販売も行っていると伝えられている。
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