シュメール語版
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/14 06:58 UTC 版)
『ギルガメシュと生者の国』または『ギルガメシュとフワワ』という題目で伝わるシュメール語版のエピソードでは、シャマシュ→ウトゥ、フンババ→フワワと呼ばれている。 ウトゥはギルガメシュに「獅子の前足と鷲の後足を持った7柱の勇士」を与え、ギルガメシュ自身は斧で武装させた国の若者50人を引き連れ、7つの山を越える。辿りついた一行は香柏を刈り始めるが、その異変に驚き駆け付けたフワワの「驚愕の輝き」を浴び、ギルガメシュは眠ってしまった。「いつまで眠っているんですか」とエンキドゥに起こされたギルガメシュは、フワワに姉妹を妻として捧げるから代わりに畏怖の光輝(7つの鎧のこと。ここでは「ニ」を指す)を与えるように申し出る(いわゆる策戦)。言われた通りに光輝を全て脱ぎ捨てたフワワをギルガメシュは殴り、捕らえることに成功。だがフワワが助けを請うので、そんな姿にギルガメシュが同情しているとエンキドゥがフワワの首をはねる。その首は皮袋に入れられ、フワワを森の番人に任命したエンリルに届けられた。エンリルは激怒するも、フワワの光輝を各地に分け与えて供養する。「彼は1つ目の輝きを草原に与えた。彼は2つ目の輝きを川に与えた。彼は3つ目の輝きを葦原に与えた。彼は4つ目の輝きをライオンたちに与えた。彼は5つ目の輝きを宮殿に与えた(債務奴隷とする版もある)。6番目の輝きを森へ与えた(丘とする版もある)。7つ目の輝きをヌンガル(Nungal、冥界の女神)へ与えた」。エンリルは彼らに直接復讐するようなことはしなかったが、「本当ならフワワは今だってお前たちの食べるパンを食べているはずだったのだ。お前たちの飲んでいる水を飲んでいるはずだったのだ。本当なら彼は讃えられているはずだったのだ」と非難しつつ、物語はこう結ばれている。「強き者、ギルガメシュは讃えられよ。ニサバ(穀物の女神)に祝福あれ」。 以下、フワワに光輝を脱ぎ捨てさせるために、ギルガメシュが対価として提案したもの。 彼の姉妹、マトゥル(Ma-tur) (文献の欠落) エチャの粉(eca-flour、神々の食べ物) 大きな靴 小さな靴 半貴石 枝の束
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