グガランナ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/14 07:10 UTC 版)
ナビゲーションに移動 検索に移動シュメール神話では、グガランナ、グガルアンナ(Gugalanna)は冥界の女王エレシュキガルの最初の夫である[1]。彼の名前はもともと「アン神の運河監督官」[1]あるいは「アヌの凶暴な牛」という意味であったかもしれないが、彼は単にエンヌギの別名であったかもしれない[1]。エレシュキガルとグガランナの子はニンアズである[1]。叙事詩の『イナンナの冥界下り』では、愛と美と性と戦争の女神イナンナは門番のネティに、「グガランナ、私の姉エレシュキガルの夫」の葬儀に行くと告げる[1][2][3]。一部の学者はグガランナが『ギルガメシュ叙事詩』の中でギルガメシュとエンキドゥに殺された天の牡牛を同一人物と考えている[4]。
脚注
- ^ a b c d e Black & Green 1992, p. 77.
- ^ Kramer 1961, p. 90.
- ^ Wolkstein & Kramer 1983, p. 55.
- ^ Pryke 2017, p. 205.
参考文献
- Black, Jeremy; Green, Anthony (1992), Gods, Demons and Symbols of Ancient Mesopotamia: An Illustrated Dictionary, The British Museum Press, ISBN 0714117056
- Kramer, Samuel Noah (1961), Sumerian Mythology: A Study of Spiritual and Literary Achievement in the Third Millennium B.C.: Revised Edition, Philadelphia, Pennsylvania: University of Pennsylvania Press, ISBN 0812210476
- Pryke, Louise M. (2017), Ishtar, New York and London: Routledge, ISBN 978-1-138--86073-5
- Wolkstein, Diane; Kramer, Samuel Noah (1983), Inanna: Queen of Heaven and Earth: Her Stories and Hymns from Sumer, New York City, New York: Harper&Row Publishers, ISBN 0-06-090854-8
グガランナ(Gugalanna)
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「ギルガメシュ叙事詩」の記事における「グガランナ(Gugalanna)」の解説
自分を振ったギルガメシュを殺害しウルクごと滅ぼすため、イシュタルがアヌを脅して造らせた「天の牡牛」と呼ばれる巨大な獣。「7年間の不作を招く」「これを殺したら死刑」と言われる聖なる神の遣い。大量の油が入った青玉石の角を2本持っている。シュメール語で言う「天の牡牛」という呼称は牡牛座を構成する星の名前に対しても用いられており、シュメール名と言うこともあってその名の成立は叙事詩よりもごく古い時代のものであると言われているが、牡牛が神話として登場する例は叙事詩の基礎となったシュメール語版の断片にしかなく、「天の牡牛」が神話化するに至ったプロセスは不詳とされている。
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