サンチャゴ島_(ガラパゴス)とは? わかりやすく解説

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サンチャゴ島 (ガラパゴス)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/12/28 15:11 UTC 版)

サンチャゴ島
Isla Santiago
サンチャゴ島(衛星写真)
所在地 エクアドル
所在海域 太平洋
所属諸島 ガラパゴス諸島
座標 南緯0度15分 西経90度42分 / 南緯0.250度 西経90.700度 / -0.250; -90.700座標: 南緯0度15分 西経90度42分 / 南緯0.250度 西経90.700度 / -0.250; -90.700
面積 585 km²
最高標高 907 m
プロジェクト 地形
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サンチャゴ島地形図

サンチャゴ島スペイン語: Isla Santiago)は、ガラパゴス諸島の島の1つである[1]カリブ海コロンブスにより発見された最初の島(サン・サルバドル島)にちなんで名付けられたサン・サルバドル島スペイン語: Isla San Salvador)の名でも知られる。英名のジェームズ島英語: James Island)は、ステュアート朝ジェームズ1世にちなんで名付けられている[2]

地理

サリバン湾(対岸はバルトロメ島

1835年チャールズ・ダーウィンが上陸した4島のうちの1つである島は[2][3]、2つの重なる火山からなり、面積は585km2、北西の楯状火山の頂上が海抜907mの最高地点となる[4]。島の南西にある火山は、線状の裂け目に沿って噴出し、はるかに低地である。島の最も古い溶岩流は75万年前にさかのぼる。

サリバン湾スペイン語: Bahia Sullivan英語: Sullivan Bay)はサンチャゴ島の東側に位置し、対岸にはバルトロメ島がある。1890年のまだ新しいパホイホイ(縄状)溶岩流があり[5]、溶岩の気泡に覆われた黒い溶岩および煙突状のホルニト英語版の跡、さらに表面が状になったアア溶岩を見学することができる[6]。カメが営巣に来る2つの小さな浜もある。

カズン・ロック英語: Cousin's Rock)はよく知られたダイビング・スポットであり、サンチャゴ島の東海岸沖に位置している。このカズン・ロックは、水面より10mほど隆起した火山岩の多層からなる三角形の岩である。

プエルト・エガススペイン語: Puerto Egas)はサンチャゴ島の西側、ジェームズ湾の南に位置し、侵食された岩が形成された長い溶岩海岸線がある。さまざまな野生生物が生息し、ウミイグアナが日光浴をする。潮だまりには多くのガラパゴスベニイワガニ英語版が見られる。近くにはオットセイのコロニーもあるプエルト・エガスは[7]シュノーケリングや熱帯魚の多くの種の観察に最適な場所でもある。製塩所の跡が残り、プエルト・エガスの名称は、1960年代にここで製塩を営んだヘクター・エガス (Hector Egas) の名による[3][8]

生物

ウミイグアナガラパゴスゾウガメおよびウミガメ類ガラパゴスアシカガラパゴスオットセイイルカ類サメ類などが生息する。ダーウィンフィンチ類ガラパゴスノスリも普通に見られ、ガラパゴスマネシツグミは亜種 M. p. personatus が分布する。ベニイロフラミンゴは大雨による土砂でラグーンが消滅するまで北岸部に生息していた[9]

保全

18世紀に海賊も立ち寄ったサンチャゴ島には[10]、1800年代から1900年代初頭に、多数のヤギブタ、それにロバがヒトによって移入され、それらの動物は固有種に大きな被害をもたらした。植生を荒らすヤギは1813年、アメリカの軍艦エセックス号より放されたことが知られる[11]。それまで生息していたガラパゴスリクイグアナは、その巣が野生化したブタに襲われるなどして1800年代末ごろには絶滅した[12][13]

ガラパゴスゾウガメの固有亜種もまた絶滅が危ぶまれていた[14]。サンチャゴ島のゾウガメは、その卵を食べるブタの被害を受けていたが[15]、1975年より卵の保護・育成が始まり、2000年には通算500頭の復帰を数えるようになった[16]。近年の生息数は1,165頭とされている[17]

1997年より、ヤギ、ブタ、ロバに対する本格的な撲滅事業がサンチャゴ島でも開始され、2000年にはブタが[3]、次いで2004年にはロバが根絶され、2005年には野生化したヤギも島から駆除されたことが2006年に宣言された[18]

ガラパゴス国立公園英語版当局は、生態系回復プログラムの一環として、サンチャゴ島におけるガラパゴスリクイグアナの生息環境を回復する計画を立案。2019年1月7日までにセイモア・ノルテ島英語版から1,436頭のリクイグアナを運び、野に放ったことを明らかにした[19]

脚注

  1. ^ 伊藤 (1983)、2頁
  2. ^ a b チャールズ・R. ダーウィン 著、荒俣宏 訳 『新訳 ビーグル号航海記 下』平凡社、2013年。ISBN 978-4-582-54139-7 
  3. ^ a b c Santiago”. Galápagos Conservancy. 2017年7月12日閲覧。
  4. ^ 伊藤 (1983)、9頁
  5. ^ 水口 (1999)、170頁
  6. ^ 水口 (1999)、31・170頁
  7. ^ 藤原 (2001)、191頁
  8. ^ 長谷川眞理子 『ダーウィンの足跡を訪ねて』集英社、2006年、106頁。 ISBN 4-08-720355-7 
  9. ^ 伊藤 (2002)、124頁
  10. ^ 伊藤 (1983)、187-188頁
  11. ^ 伊藤 (2002)、193-194頁
  12. ^ 藤原 (2001)、20頁
  13. ^ 伊藤 (2002)、218-219頁
  14. ^ 伊藤 (2002)、25頁
  15. ^ 藤原 (2001)、16頁
  16. ^ 伊藤 (2002)、212・217頁
  17. ^ 日本ガラパゴスの会 (2010)、108・185頁
  18. ^ Project Isabela”. Conservation. Garapagos Conservancy. 2017年7月12日閲覧。
  19. ^ 南米ガラパゴス、サンティアゴ島にリクイグアナが戻る 約2世紀ぶり”. AFP (2019年1月8日). 2019年1月11日閲覧。

参考文献

関連項目

外部リンク


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