サラウンドを2本のスピーカーで再生
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/13 14:14 UTC 版)
「サラウンド」の記事における「サラウンドを2本のスピーカーで再生」の解説
同じく擬似サラウンド、あるいはバーチャルサラウンドなどとも呼ばれる。人間の聴覚の特性(いわゆる錯覚)を利用して、2本のスピーカーだけでも多チャンネルのサラウンドのような音響を再現する技術である。3本以上のスピーカーを用いる場合と比べれば、はっきりとした音の定位を再現するのは難しい。この技法は、HRTF[頭部伝達関数]と言うモノを用いる。これは音が頭、鼻、肩など様々な突起物を通過し、耳へ届く際の音響特性を示し、測定には様々な機器や方法を用いる。一般的には、ダミーヘッドマイクと呼ばれる、人間の頭部と詳細な耳を模したモノを使用して録音を行う。ダミーヘッドマイク以外に、実際の人間の耳内に、小型のマイクを装着し録音を行うこともある。後者の方が、精度は高いが、HRTFは人によって異なるため、万人の平等化と言う点で、あえて、ダミーヘッドマイクを用いる場合もある。録音は、無響室で行う必要があり、無響室でないと、音響のコントロールが容易で無くなるため、本格的な音響制御を要求する場合には、無響室で行うことが必須となる。得られた、HRTFを定位情報持たない通常のモノラルソースとコンボリューション[畳み込み]を行うことで、定位情報を持たない通常のモノラルソースに、定位情報を持たせることが可能となる。: 現在では再生機器(DVDプレーヤー/レコーダー、テレビ、AVアンプ、パソコンのサウンドカードや再生ソフトウェアなど)の多くに仮想サラウンド機能が搭載されている。これらはドルビーデジタルなどの多チャンネル音声をリアルタイムで加工し、仮想サラウンド化したステレオ音声として出力する。また放送や音楽パッケージ、ゲームソフトなどあらかじめ仮想サラウンド加工されたステレオ音声がソフト側に含まれている場合は、ユーザーが特別な環境を用意しなくても広がりのある音を再生することができる。
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