コンピュータにおけるベンチマークテスト
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/12/19 15:29 UTC 版)
「ベンチマーク」の記事における「コンピュータにおけるベンチマークテスト」の解説
コンピュータ・アーキテクチャが進化するにつれ、その仕様を見ただけでは各種コンピュータの性能を比較することが難しくなってきた。そのため、異なるシステム上で動作できるテストプログラムが開発されてきた。そのようなテストを実行した結果を比較することで異なるアーキテクチャの性能を比較するためである。たとえば、インテルのPentium 4プロセッサと同程度の演算性能を示すAMDのAthlon XPプロセッサは動作周波数が(Pentium 4 よりも)低い。つまり、同じベンチマークテストを実行したとき、AMD の動作周波数の低いプロセッサとインテルの動作周波数の高いプロセッサが同程度の結果を示すのである。 ベンチマークは特定の負荷状況を再現するよう設計されている。元からベンチマーク用に開発されたプログラムは意図的にそのような負荷を作り出す。普通のアプリケーションをベンチマークとして使う場合もあり、この場合はそのアプリケーションの負荷が再現される。アプリケーションを使ったほうが実際の性能をよく表しているが、システム内の特定の部品の性能(ディスク性能、ネットワーク性能など)を測定したい場合などには専用ベンチマークプログラムが使われることが多い。 マイクロプロセッサの設計において、ベンチマークは測定手段となると共に回路化すべき部分の重要な判断基準となる。たとえば、あるベンチマークがあるアプリケーションのアルゴリズムの鍵となる部分を抜き出したものだった場合、そのベンチマークはそのアプリケーションの性能に大きな影響を与える部分を抜き出したものと考えることができる。そのような小さなプログラムをシミュレータで動作させることによって、性能を向上させる手がかりを得ることができる。 2000年ごろまで技術者はSPECを設計時に使っていたが、SPECは非常に大きいプログラムであり、シミュレータで動作させるには適していなかった。1998年、Markus Levy と半導体企業12社は EEMBC(Embedded Microprocessor Benchmark Consortium、組込みプロセッサベンチマーク協会)を設立しEmbedded Microprocessor Benchmark Consortium、組込み市場向けのベンチマークを標準化した。これによってSPECよりも小さなプログラムで性能的に問題となるアルゴリズムに注目した測定が可能となった。半導体企業が測定したベンチマーク結果はEEMBCで検証および認定後、公表可能となる。EEMBC は組み込み用プロセッサが益々低消費電力化していくことから、電力消費のベンチマークを標準化しようとしている。
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