コヒーラ型(電磁波・電荷両検出型)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/11/17 15:37 UTC 版)
「雷検知器」の記事における「コヒーラ型(電磁波・電荷両検出型)」の解説
最も古いポポフの発明した雷検知器(コヒーラ式雷検知器)は、真空管の発明によってコヒーラが実用の無線通信に供されなくなるとともに歴史上のものになり、またコヒーラの動作メカニズムが解明されていなかったことから、永らく上述の電磁波検出型のものとして認識されていた。しかし一方で理由はわからないものの、コヒーラを使うと簡単に高性能の雷検知器ができることから、その発明以来、改良のための試行が繰り返されていた。 近年になって日本の通信工学系の研究者や技術者らによって、コヒーラそのものからの詳細な研究がなされた結果、コヒーラは独特のインパルス動作スイッチであり、コヒーラを「雷検出素子」として応用すれば、稲妻検知と稲妻発生予知の両方がひとつのコヒーラで可能であることが発見され、検出の心臓部であるコヒーラの大幅な改良、雷警報の自動発令・自動解除機能などが加えられ、その発明より100年以上を経て、実用に供されはじめた。コヒーラの感度限界より、遠方で発生する落雷の予知はできないが、特に電気・通信設備などに影響を及ぼす、1000メートル圏内程度での落雷を予知することができる。コヒーラは自体が避雷素子であることから頑強、すなわち簡単なアナログ回路構成により稲妻からの電磁波に加え、落雷発生前の急激な対地電位変動(電荷量変動)の直接検出ができるのが特長であり、上述のユーマン理論による、また電荷を検出するタイプの雷検知器に概ね共通して必要な外乱排除のための大規模演算回路を必要とせず、雷検知器設置点近辺での落雷の危険性判断を随時、高精度に行うことができる。 このことから主に電気機器や電気設備の避雷制御、送配電系統のローカルな雷サージ監視制御用などに用いられるようになった。
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