コケ植物の場合
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/15 01:06 UTC 版)
コケ植物は、基本的には茎と葉のような構造の区別がある。これを茎葉体と言う。しかし、ツノゴケ類とタイ類の一部では平らな帯状で枝分かれしただけの、葉や茎のない構造が見られ、これが葉状体と言われる。 タイ類の場合、その大部分は茎と葉の区別がある茎葉体であり、ウロコゴケ亜綱のフタマタゴケ目、ゼニゴケ亜綱(ゼニゴケ目のみ)のものが葉状体である。この類の葉状体は、普通は腹背に偏平なリボン状で、多くは二又分枝をする。ハタケゴケなどでは、葉状体が短く詰まって、円盤状の植物体を形成する。その構造はさまざまで、フタマタゴケ目のものは薄膜状で単純であるが、ゼニゴケ類のそれは複雑で、複数細胞層からなり、内部には気室などをもつ。両者ともに茎に当たる中軸が明瞭なものも不明瞭なものもあるが、不明瞭であってもその存在は窺える。たいていはその下面に仮根を出し、基質に付着する。成長はその茎の先端部で行われ、分枝もここで生じる。なお、葉状体であっても、一部に葉を持つ例もあり、例えばジャゴケは裏面の中軸に沿って鱗片状に葉が出る。 ツノゴケ類はすべて葉状体である。その構造は外見的にはややゼニゴケ類に似るが、内部構造はより単純である。 ただ、コケ植物に於ける茎や葉に見える構造は、維管束植物のそれよりははるかに単純なものである。配偶体と胞子体の違いもあり、これらを同じものとは考えられない。そのため、コケ植物は真性の茎や葉を持たないとの判断から、コケ植物は全て葉状体とする判断もあり、これは下記の広義の用法となる。
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