組織の場合
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/01/08 02:31 UTC 版)
いわゆる維管束植物においては、その茎は三次元に細胞が配列したものであり、内部ではいくつかの組織が分化している。そこでの細胞分裂は、茎や根の先端にある成長点あるいは頂端分裂組織と呼ばれる分裂組織に限定される。そこでは細胞分裂によって茎や根の細胞が作られて、それによってそれらが先へと伸び、同時に葉などの軸性器官が形成される。これによって形成された組織は、一次組織といわれることがある。 コケ植物の場合、茎の構造はやや簡単ながら、やはり先端の分裂組織での細胞分裂によってその伸長が行われる。 車軸藻類では、一見は種子植物の水草に似た姿であるが、その構造ははるかに簡単で、節々の間はほとんどが単一の細胞である。その成長は一種の先端成長であるが、やはり特殊なもので、先端には成長点細胞があり、これが分裂によって上下二細胞を生じる。このうちの下側の細胞はそのまま伸びて節間細胞となり、上側の細胞はさらに分裂して節部を形成する。 また、菌類においては真の組織は形成しないが、菌糸が束になった疑似的な組織が形成され、そこに先端成長のような様子が見られる場合がある。例えば菌糸束などがそれであるが、先端が若々しい様子は種子植物の根にも似ている。この場合、菌糸の成長する先端がそろって先端に出ているもので、成長は個々の菌糸の成長そのものである。
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