コクランの Q 検定
例題:
「10 人の被検者を対象として,3 種類の状況の下である作業に成功するかどうかを調べたところ,表 1 のような結果であった(成功の場合 1,失敗の場合 0 で表した)。状況により成功の比率が違うかどうかを検定しなさい。」
被検者 | 状況 1 | 状況 2 | 状況 3 |
---|---|---|---|
1 | 0 | 0 | 0 |
2 | 0 | 0 | 0 |
3 | 0 | 0 | 0 |
4 | 0 | 0 | 1 |
5 | 0 | 1 | 1 |
6 | 0 | 1 | 1 |
7 | 0 | 1 | 1 |
8 | 1 | 1 | 1 |
9 | 1 | 1 | 1 |
10 | 1 | 1 | 1 |
R による解析:
> x <- matrix(c( + 0,0,0, + 0,0,0, + 0,0,0, + 0,0,1, + 0,1,1, + 0,1,1, + 0,1,1, + 1,1,1, + 1,1,1, + 1,1,1 + ), byrow=T, ncol=3) > Cochran.Q.test(x) # この関数の定義を見る Statistics Q d.f. P value 6.50000000 2.00000000 0.03877421
コクランの Q 検定
対応のある k 個(k ≧ 3)の名義尺度変数において,処理間の差(比率の差)の検定を行う(2 つの対応のある比率の検定(マクネマー検定)を拡張した検定である)。各データは 2 値型の変数でなければならない。
例題:
「10 人の被検者を対象として,3 種類の状況の下である作業に成功するかどうかを調べたところ,表 1 のような結果であった(成功の場合 1,失敗の場合 0 で表した)。状況により成功の比率が違うかどうかを検定しなさい。」
被検者 | 状況 1 | 状況 2 | 状況 3 |
---|---|---|---|
1 | 0 | 0 | 0 |
2 | 0 | 0 | 0 |
3 | 0 | 0 | 0 |
4 | 0 | 0 | 1 |
5 | 0 | 1 | 1 |
6 | 0 | 1 | 1 |
7 | 0 | 1 | 1 |
8 | 1 | 1 | 1 |
9 | 1 | 1 | 1 |
10 | 1 | 1 | 1 |
検定手順:
- 前提
- k 個の対応のあるデータが n 組あり,表 2 のように整理されているとする。Rij は,特性を持つときに 1,持たないときに 0 の値をとるように記述されているとする。
表 2.k 個の対応のあるデータ 組 処理 1 処理 2 … 処理 k 合計 1 R11 R12 … R1k L1 2 R21 R22 … R2k L2 : : : : : : n Rn1 Rn2 … Rnk Ln 合計 G1 G2 … Gk
- 表 2 より,検定統計量 Q を計算する。
例題では,Q = 6.5 である。
- Q は,自由度が k-1 のχ2分布に従う。
例題では,自由度が 2 の χ2 分布に従う。
- 有意確率を P= Pr { χ2 ≧ Q } とする。
χ2分布表,または χ2 分布の上側確率の計算を参照すること。
例題では,自由度 2 の χ2 分布において,Pr{χ2 ≧ 5.99}= 0.05 であるから,P = Pr{χ2 ≧ 6.5}< 0.05 である(正確な有意確率:P = 0.03877)。
- 帰無仮説の採否を決める。
例題では,有意水準 5% で検定を行うとすれば(α = 0.05),P < α であるから,帰無仮説を棄却する。すなわち,「条件により成功の比率は異なる」といえる。
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