ゲーム上の役割
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/25 15:08 UTC 版)
コンピュータRPGにおけるキャラクタークラス(ゲーム内の役割)としてのシーフの成立は、テーブルトークRPGの元祖である『ダンジョンズ&ドラゴンズ』 (D&D) にまでさかのぼる。『D&D』のシーフは、肉体的な能力はファイター(戦士)に及ばず、武装も制限される代わりに、ダンジョン内に仕掛けられた罠の発見・解除、隠し扉の発見、鍵開け、聞き耳を立ててモンスターの気配を探る、身を隠して背後から敵を襲うといった数々の特殊能力を持っており、危険なダンジョンには欠かせない存在となっている。戦闘ではあまり役に立たないが、機転を利かせて立ち回ることのできるクラスである。この傾向は、細かい差異は多々あるものの、ほかのさまざまなテーブルトークRPGにおおむね受け継がれている。 コンピュータRPGの元祖のひとつである『ウィザードリィ』は、『D&D』のコンピュータ上での再現というコンセプトで開発されており、ファイターやクレリック(僧侶、プリースト)などと同様にシーフも移入され、これがコンピュータRPGにシーフが初めて登場する作品となる。だが、シーフはその能力を大きく制限されることとなる。『ウィザードリィ』の初期シリーズでシーフに許されていたのは、わずかに宝箱の罠の種類を判別することと、それを解除することのみであった。戦闘がゲームの中心となるコンピュータRPGにおいて、『D&D』的なシーフの役立つ局面は限られた。それでも、役立つアイテムを手に入れる唯一の手段が宝箱である以上シーフをパーティに組み入れる必要があり、存在意義を失うことはなかった。 『ウィザードリィ』の後のシリーズでは、鍵開けの能力やノンプレイヤーキャラクター (NPC) からスリを働く能力など、本来のシーフの能力を再現する方向で追加がなされている。一方でファイナルファンタジーシリーズをはじめとする日本製コンピュータRPGでは、特殊技能を駆使する軽戦士としての側面が強調される。
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