グリンカ
ロシアの作曲家。ロシア国民音楽の創始者として知られる。スモレンスク近郊ノヴォスパススコエ村の地主の家に生まれ、教会の鐘の音と農民の歌に囲まれた環境で育った。15年から音楽を学び、18年にはジョン・フィールドのレッスンも受けている。ペテルブルグの貴族寄宿学校を卒業後、運輸省に勤務(24~28年)。職務の傍ら、ロマンスやピアノ曲、室内楽曲を作曲して社交界の注目を浴びる。
30~33年にはイタリアで音楽を学ぶ。ベッリーニやドニゼッティのオペラを始め、同地の最新の音楽から大いに刺激を受けながらも、ロシア人としてのアイデンティティを強く自覚。帰国の途上のベルリンでは、音楽理論家ジークフリート・デーンから教授を受けて、自らの方向性に確信を抱く。
帰国後、オペラ《イヴァン・スサーニン》(36年)を作曲。イタリア歌劇の形式によりながらも、ロシア民謡を素材とする国民的題材のオペラは、古い民話に基づく《ルスラーンとリュドミーラ》(42年)と共に、ロシア国民主義のオペラの礎石となった。
歌とピアノ
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