クロホシマンジュウダイ科とは? わかりやすく解説

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クロホシマンジュウダイ科

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/21 02:17 UTC 版)

クロホシマンジュウダイ科
クロホシマンジュウダイ Scatophagus argus
分類
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 条鰭綱 Actinopterygii
: スズキ目 Perciformes
上科 : Siganoidea
: クロホシマンジュウダイ科 Scatophagidae
学名
Scatophagidae
Gill, 1883[1]
シノニム[1]
  • Prenidae Whiley, 1956
英名
scats

クロホシマンジュウダイ科 (Scatophagidae) は、スズキ目の下位分類群の1つ。インド太平洋に分布するが、1種は大西洋に移入されている。3または4種が知られる。

分類と名称

1883年にアメリカ魚類学者であるセオドア・ギルによって正式に科として記載された[1]。『Fishes of the world』第5版では、スズキ亜目に分類されている[2]。ニザダイ目のニザダイ科に分類したり[3]、ユーペルカ系のIncertae sedisとする見解もある[4]。学名はタイプ属クロホシマンジュウダイ属の属名に由来し、「skatos(糞)」と「phaga(食べる)」の合成語である。糞を食べる種がいることに由来するといわれるが、この行動は実際には観察されていない[5]

下位分類

現生種は2属3または4種[6]。またいくつかの化石種が知られる。

化石種

Eoscatophagus frontalisの化石

形態

体は側扁した長方形で、体形はチョウチョウウオ科イシダイ科に似る。頭部背側の輪郭は急で、吻は丸い。口は水平で小さく、顎には小さな毛のような歯が数列ある。口蓋には歯が無い。背鰭は11 - 12棘と16 - 18軟条から成り、棘条は平らに横たわっており、棘条部と軟条部の間には深い切り込みがある。臀鰭は4棘と13 - 16軟条から成り、胸鰭は小さく、16 - 17条から成る。尾鰭は截形か、弱く湾入し、幼魚では丸い。頭と体は小さな鱗で覆われており、背鰭と臀鰭の軟条部分に達する。鰓蓋骨には棘や鋸歯は無い。体色は銀色または緑がかった色で、暗色の斑点や帯が入る.[7]。最大種はS. multifasciata で全長40 cmに達し、最小種はS. papuensis で、全長9 cm程度である[3]

分布と生態

東アフリカから西太平洋までのインド太平洋に分布する[3]クロホシマンジュウダイマルタに導入され定着しており、フロリダ州からも記録されている[8]汽水域、河川の下流域に生息する[7]群れで生活し、昼行性で、底生無脊椎動物デトリタス藻類など様々なものを食べる雑食性[7]

人との関わり

刺網などで捕獲されるが、商業的に流通することは少ない[7]。観賞用に飼育される[9]

脚注

注釈

  1. ^ FishBaseWorld Register of Marine Speciesでは有効種とされるが、Catalog of FishesではS. multifasciataのシノニムとされる。

出典

  1. ^ a b c Richard van der Laan; William N. Eschmeyer & Ronald Fricke (2014). “Family-group names of Recent fishes”. Zootaxa 3882 (2): 001–230. https://www.researchgate.net/publication/268078514 2024年4月24日閲覧。. 
  2. ^ J. S. Nelson; T. C. Grande; M. V. H. Wilson (2016). Fishes of the World (5th ed.). Wiley. pp. 462–463. ISBN 978-1-118-34233-6. https://sites.google.com/site/fotw5th/ 
  3. ^ a b c Froese, Rainer, and Daniel Pauly, eds. (2024). "Acanthuriformes" in FishBase. April 2024 version.
  4. ^ Betancur-R, R.; Wiley, E.O.; Arratia, G. et al. (2017). “Phylogenetic classification of bony fishes”. BMC Evolutionary Biology 17 (162): 162. doi:10.1186/s12862-017-0958-3. PMC 5501477. PMID 28683774. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC5501477/. 
  5. ^ Order Acanthuriformes (part 2): Families Ephippidae, Leiognathidae, Scatophagidae, Antigoniidae, Siganidae, Caproidae, Luvaridae, Zanclidae and Acanthuridae”. The ETYFish Project Fish Name Etymology Database. Christopher Scharpf and Kenneth J. Lazara (2021年1月12日). 2024年4月21日閲覧。
  6. ^ Froese, Rainer, and Daniel Pauly, eds. (2024). "Scatophagidae" in FishBase. April 2024 version.
  7. ^ a b c d Scatophagidae”. FAO Species Identification Sheets. FAO. 2024年4月21日閲覧。
  8. ^ Schofield, P.J. (2021年). “Scatophagus argus (Linnaeus, 1766)”. Nonindigenous Aquatic Species Database, Gainesville, FL. U.S. Geological Survey. 2024年4月21日閲覧。
  9. ^ Scatophagus argus”. Tropical Fish Hobbyist Magazine (2004年4月). 2024年4月21日閲覧。

関連項目


クロホシマンジュウダイ科

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/08/31 20:00 UTC 版)

ニザダイ亜目」の記事における「クロホシマンジュウダイ科」の解説

クロホシマンジュウダイ科 Scatophagidae は2属4種からなるインド洋から西部太平洋にかけて分布し汽水淡水域進出することもある。雑食性小さな口に入るものは何でも食べクロホシマンジュウダイ属の学名 Scatophagus が意味するように糞食を行うことでも知られる。体は強く側扁し、体高は高い。背鰭棘条11または12本、臀鰭は4本である。 スズキ亜目チョウチョウウオ科魚類同じく、トリクチス幼生呼ばれる稚魚期を過ごす。成魚体型チョウチョウウオ仲間似ているが、本科魚類は完全な側線をもつこと、切れ込みのある背鰭微細ななどの特徴異なっている。 クロホシマンジュウダイ属 Scatophagus Selenotoca 属

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