クロボウズギス科とは? わかりやすく解説

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クロボウズギス科

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/23 10:04 UTC 版)

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クロボウズギス科
オニボウズギス Chiasmodon niger
分類
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 条鰭綱 Actinopterygii
亜綱 : 新鰭亜綱 Neopterygii
上目 : 棘鰭上目 Acanthopterygii
: スズキ目 Perciformes
亜目 : ワニギス亜目 Trachinoidei
: クロボウズギス科 Chiasmodontidae
英名
Swallowers
下位分類
本文参照

クロボウズギス科学名Chiasmodontidae)は、スズキ目ワニギス亜目に所属する魚類の分類群の一つ。オニボウズギス・クロボウズギスなど、中層遊泳性の深海魚を中心に4属15種が所属する[1]。科名の由来は、ギリシア語の「chiasma(交叉)」と「odous()」から[2]

分布

クロボウズギス科の魚類はすべて海水魚で、大陸から遠く距離を置いた外洋の深海に幅広く分布する。海底から離れた中層を遊泳して生活する種類が多く、主に中深層から漸深層(水深200-3,000m)にかけて報告されている。

形態

クロボウズギス科の魚類は一般にやや細長く、体長は20cm前後の種類が多い。口腔からにかけて、消化管の伸縮性は著しく高い。このため、自らの大きさをはるかに上回る獲物を捕食し、飲み込むことが可能となっている。同様の特徴はフウセンウナギ科フウセンウナギ目)・ミズウオ科(ヒメ目)および多くのチョウチンアンコウ類(アンコウ目)にも認められる[3]

クロボウズギス属の仲間は、発光器による生物発光を行う。発光器を口の中にもつ種類もあり、獲物の誘引に使用されている可能性がある[4]

背鰭は2つあり、7-8本の棘条からなる前半部と18-29本の軟条部に分かれる。臀鰭は1棘17-29軟条。前上顎骨・主上顎骨は細長く、後方で硬く結合する[1]。前上顎骨の先端は背側に拡張するとともに側方に分岐する[1]椎骨の数は33-48個。

分類

クロボウズギス科にはNelson(2006)の体系において4属15種が認められている一方で[1]、分類の見直しや新種の報告も相次いでいる。本稿では、FishBase[2]に記載される32種についてリストする。

本科はかつてスズキ亜目に含められたこともあるが[5]、現在ではワニギス亜目に位置付けられるのが一般的となっている。

  • オニボウズギス属 Chiasmodon
    • オニボウズギス Chiasmodon niger
    • ザラボウズギス[6] Chiasmodon lavenbergi
    • Chiasmodon bolangeri
    • オクバオニボウズギス Chiasmodon braueri
    • Chiasmodon subniger
クロボウズギス属の1種(Pseudoscopelus scriptus)。太平洋・大西洋から報告のある種で、体長は最大で15cmほどになる
  • クロボウズギス属 Pseudoscopelus
    • ウロコクロボウズギス Pseudoscopelus scutatus
    • クロボウズギス Pseudoscopelus sagamianus
    • Pseudoscopelus albeolus
    • Pseudoscopelus altipinnis
    • Pseudoscopelus aphos
    • Pseudoscopelus astronesthidens
    • Pseudoscopelus australis
    • Pseudoscopelus bothrorrhinos
    • Pseudoscopelus cephalus
    • Pseudoscopelus lavenbergi
    • Pseudoscopelus microps
    • トウマルクロボウズギス Pseudoscopelus obtusifrons
    • シタバクロボウズギス Pseudoscopelus odontoglossum
    • Pseudoscopelus parini
    • Pseudoscopelus pierbartus
    • Pseudoscopelus scriptus
    • Pseudoscopelus stellatus
    • Pseudoscopelus vityazi
  • トゲボウズギス属 Dysalotus
    • トゲボウズギス Dysalotus alcocki
    • カクシトゲボウズギス Dysalotus oligoscolus
  • ワニグチボウズギス属 Kali
    • ワニグチボウズギス Kali indica
    • Kali caribbaea
    • ジャグチボウズギス Kali colubrina
    • Kali falx
    • Kali macrodon
    • コワモテワニグチボウズギス Kali macrura
    • Kali normani
    • Kali parri

出典・脚注

  1. ^ a b c d 『Fishes of the World Fourth Edition』 pp.403-404
  2. ^ a b Chiasmodontidae”. FishBase. 2010年2月14日閲覧。
  3. ^ 『Deep-Sea Fishes』 p.152
  4. ^ 『深海の生物学』 p.306
  5. ^ Gosline WA (1971). Functional morphology and classification of teleostean fishes. Honolulu: University Press of Hawaii 
  6. ^ 日本産魚類の追加種リスト”. 日本魚類学会. 2010年2月14日閲覧。

参考文献

外部リンク


クロボウズギス科

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/05/25 00:13 UTC 版)

ワニギス亜目」の記事における「クロボウズギス科」の解説

クロボウズギス科 Chiasmodontidae は4属15種を含み外洋深海分布する種類が多い。クロボウズギス属の魚類発光器備えており、深海魚としての適応認められる一群である。 口が大きく鋭い歯をもち、上顎細長く癒合した前上顎骨主上顎骨によって支えられている。口と胃の伸縮性極めて高く自身よりも大きな獲物捕食し飲み込むことが可能になっている。 オニボウズギス属 Chiasmodon クロボウズギス属 Pseudoscopeius トゲボウズギス属 Dysalotus ワニグチボウズギス属 Kali

※この「クロボウズギス科」の解説は、「ワニギス亜目」の解説の一部です。
「クロボウズギス科」を含む「ワニギス亜目」の記事については、「ワニギス亜目」の概要を参照ください。

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