ギルド、学会および職能団体
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/09 01:07 UTC 版)
ギルドとリヴァリ・カンパニーは、記録上勅許を受けた最も古い組織である。枢密院の記録によれば、1272年の鞍師名誉組合(英語版)が最も古いものであり、それに1326年の商人仕立屋名誉組合(英語版)と1327年の毛皮商名誉組合(英語版)が続いた。最も古い鞍師組合の勅許状は、鞍師に取引を行う権限を与えるものであり、法人格を付与する勅許が与えられたのは1395年になってからであった。商人仕立屋組合も、同様に1408年の追加の勅許により法人格を与えられた。 勅許は、グレートブリテンとアイルランドにおける最初の医療規制にも用いられた。ロンドンの床屋名誉組合は、1462年、記録上最古の医療または外科に関する勅許を受けた。この勅許により、外科に関して監督し、検査を行い、矯正し、また統治する権限が与えられた。1540年にロンドンギルド(理髪外科組合から改称した)に対して発せられた追加の勅許は、外科医・理髪外科医・理髪師の資格を階層分けした。ロンドン外科医組合は、1745年に理髪師から分離し、1800年の勅許に基づく王立外科医師会の設立に繋がった。ロンドン王立内科学会(英語版)は1518年の勅許により設立され、ロンドン市およびその7マイル圏内における医療を規制する権限が与えられた。 ダブリンの理髪師ギルド(聖マグダラのマリア・ギルド、英: the Gild of St Mary Magdalen)は1446年に勅許を得たといわれているが、大法官の記録にはなく、18世紀には失われている。後年、1577年の勅許状によって理髪師と(従前法人化されていなかった)外科医が統合された。アイルランド王立内科医学院(英語版)は1667年に勅許により設立され、理髪師ギルドから発展したアイルランド王立外科医学院は1784年に設立された。 王立学会は、1660年にイギリス初の学会として設立され、1662年に初の勅許を受けた。1663年の第二の勅許状により再度法人化され、1669年の第三の勅許状により修正を受けた。これらの勅許状はすべてラテン語で記されていたが、2012年に英語で書かれた補充的特許状が発行され、これがラテン語の原文に優先するものとされた。エディンバラ王立学会(英語版)は1783年に勅許により設立され、アイルランド王立学会(英語版)は1785年に設立された後1786年に勅許を受けた。 19世紀初頭のイギリスにおいては、産業革命とl自由放任型資本主義の勃興の後に生じた新たな職業を代表する、新たな職能団体が設立されていった。これらの職能団体は、勅許を得ることによって社会的承認を得、またこれにより基礎を築き、疑義を呈されていた職業のあり方を定義づけようとしていた(職業的活動内容や特定の専門技能を基礎とすることが多かった)。団体の目的には種々のものがあったが、従来の職能団体が有していなかった公益活動が範囲に加えられた。これによりイギリスの職能団体の型が作られ、「公益」性の有無が勅許が与えられる重要な基準となった。
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