キロハ25形
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/02 02:27 UTC 版)
「国鉄キハ55系気動車」の記事における「キロハ25形」の解説
本系列登場当時は、一部の準急列車で二等車の需要もあったため、当初それらの列車には10系気動車の二・三等合造車であるキロハ18形を充当していた。キロハ18は二等座席のシートピッチ拡大や洗面所装備など優等車としての設備を整えてはいたが、元来が狭幅車体の10系在来車では根本的な居住性に難があった。これを代替する車両として1958年から製造されたのが本形式で、全車新潟鉄工所が製造した。この時点では全室二等車とするほどの需要が期待されなかったこともあり、キロハ18形を踏襲した二・三等合造車となった。 本形式はエンジン2基搭載のキハ55形との混結が前提とされたことから、エンジン1基搭載とした上でキハ26形を基本とした片運転台2デッキ構造を採用したが、以下の点で特異性がある。 運転台寄り前半分が同時期に製造されたサロ153形に準じた回転クロスシートを設置した二等客室、後半分がキハ55形に準じた固定クロスシートと戸袋窓部は1人掛けのロングシートとした三等客室とされた。 客室窓は二等側は座席一列ごとの一段上昇式狭窓、三等側は1次車がスタンディー・ウインドウ付き2段窓、2次車が一段上昇窓。 トイレ・洗面所は運転台直後に設置。トイレはスペースを採れる助士席側に通常のレイアウトで設置されたが、洗面所はスペースが限られる運転席側に、窓側に向かう配置でシンクを置いた。 二等客室から騒音源を遠ざけるためキハ26形とは床下機器の配置を逆転させ、後位側(運転台のない三等側)にエンジンを搭載するほか、排気管は二等・三等客室間仕切部に設置。 一等車としては、冷房装置がなく座席がリクライニングシートでないなどアコモデーションが陳腐化したことから1965年以降にキロ28形への置き換えが行われるようになり、1967年 - 1969年に車体・座席には全く手を加えることなく全車が車両番号を原番号+300としキハ26形への格下げ編入が実施された。 1次車 (1 - 5) 1958年製造。キハ55 16 - 46グループに対応する。エンジンはDMH17Bを搭載して製造された。DT22形・TR51形台車を装着する。 2次車 (6 - 15) 1960年製造。キハ55 101 - に準じた後期形。エンジンはDMH17Cに変更。台車はDT22A・TR51A。
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