キリスト教化後のペレ信仰
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/14 21:26 UTC 版)
「ペレ (ハワイ神話)」の記事における「キリスト教化後のペレ信仰」の解説
アメリカ、フランス、イギリスといった国々のキリスト教各宗派がハワイなど太平洋の島々で宣教を始めたのは18世紀末からで、19世紀半ばにはハワイのキリスト教化(英:Christianization)は概ね終了した。それに先立つ1819年に、即位したばかりのカメハメハ2世によってカプと呼ばれる古くからの禁令制度が廃止された。カプによって生活上さまざまな拘束を受けていた人々がこれを受け入れたことで、神官は拒絶され、神殿は破壊され、宗教的な儀式は中止された。人々は古来の神々への信仰からもアウマクア(祖先神)信仰からも離れて、キリスト教やその後にハワイに入ってきた他の宗教に移っていった。しかし女神ペレだけは、彼女が住むとされるキラウエア火山の存在感の大きさによって信仰を失うことはなかったという。 キラウエア火山の火口から30kmほど離れたワオケレオプナ(英語版)の原生林での地熱発電の開発計画が持ち上がった時、「ペレ・ディフェンス・ファンド(英: Pele Defense Fund、ペレ防衛基金)」が反対運動を起こしている。ペレ・ディフェンス・ファンドの参加者は、キラウエア火山の噴火とは姿を変えたペレであり、キラウエア火山の地熱を利用することはペレの生命力(マナ)を侵す行為だと主張した。ハワイでの地熱発電はこうした宗教的な理由によって推進しにくいものとなっているという。 ハワイ島のブラック・サンド・ビーチには溶岩が細かく砕かれた黒い砂が広がっているが、こんにちでも、島からこの砂を持ち出すとペレの祟りがあると信じられている。
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