ガンプラの金型
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/02 01:33 UTC 版)
金型の流用はガンプラ特有のものではなく他のジャンルでも見られるが、金型流用によるバリエーション展開が頻繁に行われる。例えばガンダムMk-IIのエゥーゴ・ティターンズ両カラーの商品や、兄妹機であるエールストライクガンダムとストライクルージュといった単純な色違いだけではなく、ウイングガンダムゼロ(『エンドレスワルツ』版)とウイングガンダムVer.Kaのようにランナー単位でパーツを差し替えることも行われている。また、あらかじめバリエーション機のパーツを設計段階で金型に彫り込んでおき、成型時にランナーの湯口をスイッチで止めることによって、使用しないパーツを成形しないことでバリエーション展開を容易にしているキットも存在する。 この理由のひとつに、金型の制作費用が非常に高価であることが挙げられる。ガンプラの場合、典型的な商品の金型を一式分作るのに数千万円、大規模な商品になると億単位の費用がかかる。木型から型を起こしていた旧キット時代と違ってCADによる設計・ラピッドプロトタイピングによる試作・NC加工や放電加工による金型製作などが取り入れられるようになったとはいえ、デザイナーと専門工の人件費等のコストと時間が非常にかかるものであることに変わりはないという。 この金型の制作技術は、バンダイが1969年に今井科学の静岡工場と金型を買収して以来培ってきたものでもあり、他の玩具の生産拠点を中国など日本国外に移転するようになった後も、静岡工場(現:バンダイホビーセンター)を中心とした日本国内での生産にこだわっている。ガンプラ(および『ポケットモンスター』の「ポケプラ」や『妖怪ウォッチ』『ラブライブ!サンシャイン!!』などその他のバンダイ製プラモ)が "MADE IN JAPAN" であるということは、プラモデル売り場のポスターやパッケージなどでも強調されている。余談だが今井科学の金型を買収したことにより長らく絶版状態だった今井製の『超時空要塞マクロス』のキットが2010年に再販されている。 2018年現在、ガンプラの金型は全てバンダイホビーセンターに保管されており、最初の製品であるガンダムの金型も良好な状態が保たれている。 2019年発売の『SD三国創傑伝』シリーズのプラモデルは中国製となっており、箱に"MADE IN JAPAN"ではなく、"MADE IN CHINA BANDAI HOBBY CENTER QUALITY"と表記されている。
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