カントリー・ハウスの構造
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/31 07:47 UTC 版)
「カントリー・ハウス」の記事における「カントリー・ハウスの構造」の解説
大広間 マナー・ハウスおよび初期のカントリー・ハウスにおいてはグレート・チャンバーが生活の中心であった。家族と使用人は皆この部屋で食事、団欒そして就寝している。中心には炉床が置かれ、煙を部屋上部の格子戸から排出する仕組みになっていた。石工技術が発達し暖炉が普及すると部屋の天井を高くする必要がなくなったため、16世紀後半からは二階に複数の部屋が設置されるようになり、グレート・チャンバーはホールとなり、晩餐会などにのみに用いられるようになる。さらに18世紀以降には、玄関を入ってすぐの位置に存在する玄関ホールへと変化していった。 応接間 食事後の団欒に使用されたウィズドローイング・チャンバー(ホールから「引揚げる」withdraw に由来)が発展したもので、家族はこの部屋で長時間過ごす事が多かった。 広間 サルーンはホールから正餐の場を引継いだ部屋である。客を招いての正式な食事の場、舞踏会の会場などとして使用された。18世紀以降にはその地位が再び低下する。 画廊 複数の部屋が設けられるようになると、16世紀前半にそれらを機能的に繋ぐ廊下が設けられた。時代が下ると、この廊下に絵画や彫像をおくようになり、さらには通路としての機能を失い、自由に歩き回ることができる運動の場、または居間と応接間を兼ねたような部屋になった。 図書室 18世紀のプラトン主義の流行に触発されて書籍の収集がおこなわれるようになると、ファッションとして図書室が設けられるようになった。壁を書架で囲んで読書や執務をおこなう部屋であると同時に、団欒の場としてソファーなどが置かれた。 食堂室 グレート・チェンバーから機能が分割された。家族だけでの普段の食事はここでとられる。 寝室 17世紀以降に就寝用の部屋として設けられた。 この他に浴室、厨房、洗濯室、撞球室、喫煙室、書斎などが存在する(後者三つは男性のみが使用した)。厨房、洗濯室や使用人の住居などは本邸とは離れた別棟や半地下に設けられることが多かった。
※この「カントリー・ハウスの構造」の解説は、「カントリー・ハウス」の解説の一部です。
「カントリー・ハウスの構造」を含む「カントリー・ハウス」の記事については、「カントリー・ハウス」の概要を参照ください。
- カントリー・ハウスの構造のページへのリンク