カリグラフィーによる表象
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/14 15:24 UTC 版)
「ムハンマドの表象」の記事における「カリグラフィーによる表象」の解説
イスラム美術においては、特にアラビア語圏でムハンマドの視覚的な表象として最も一般的なのが、彼の名前をカリグラフィーにすることである。これは一種のゆるやかな円状のモノグラムで、ふつう装飾的な枠のなかに書かれる。アラビア文字以外で書かれることはあまりなく、再構成されたり反復された字に、祝福の言葉や敬称(例えば「使徒」だったりその縮約形)が添えられる。ムハンマドの名を表現する書法は様々で、例えばアンビグラムもその1つである。ムハンマドはよく薔薇によって象徴された。 神の名や、世俗的な署名であるトゥグラ、オスマン朝の国王の名を凝った形で組み直したモノグラムなど、イスラム世界における特別な形式のカリグラフィーに分類される、さらに複雑な作品もある。 アラビア文字のスルス体で書かれたムハンマドの名前。左上に小さく「彼に平安あれ」とある カリグラフィーによるムハンマドの名前(トルコ、エディルネのモスクの壁) カリグラフィーによる装飾タイル(トルコ、18世紀)神、ムハンマドと彼の後継者である4人のカリフの名が書かれている 18世紀後半ないし19世紀はじめのカリグラフィーによるパネル(ムスタファ・ラーキム) ムハンマドの名が書かれた鏡文字 中央上部に鏡文字でムハンマドの名が書かれたカリグラフィーのデコパージュ (18世紀または19世紀) 。その下はミフラーブのような祈りをささげるための壁龕を表している パレスチナの陶器を模したカリグラフィー。神 (الله)とムハンマド(محمد)の名が書かれている ムハンマド (محمد) とアリー(علي),の名を逆さまにしても同じように読むことが出来るアンビグラム クーフィー体で、4方から正方形に(または幾何学的に)書かれたムハンマドの名。イスラム建築におけるタイルの模様として多用された クーフィー体で書かれた「ムハンマドに祝福あれ」(بركة محمد )。メクネスのマドラサより 14世紀のウズベキスタンのマウソレウムに使われたタイル。ムハンマドの名 (محمد)がクーフィー体で彫られている。入り口の枠に用いられたものの一つ モスクの丸屋根。コーランが刻まれており、クーフィー体でムハンマドとアリーの名がタイル面に彫られている バンナイ(英語版)といわれるレンガ積みの工法により、カザフスタンのホージャ・アフマド・ヤサヴィー廟に彫られたクーフィー体によるムハンマドの名 イスファハンの王のモスクにおけるバンナイ工法、正方形のクーフィー体でムハンマドとアリーの名を反復している
※この「カリグラフィーによる表象」の解説は、「ムハンマドの表象」の解説の一部です。
「カリグラフィーによる表象」を含む「ムハンマドの表象」の記事については、「ムハンマドの表象」の概要を参照ください。
- カリグラフィーによる表象のページへのリンク