オーミック接触の準備とキャラクタリゼーション
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/05/21 15:15 UTC 版)
「オーミック接触」の記事における「オーミック接触の準備とキャラクタリゼーション」の解説
オーミック接触の製造は、材料工学のかなり研究された部分であるが、それでもなお現在も先端技術である。再現性があり信頼性のある接触の製造は、半導体表面の清浄度に頼っている。たとえばシリコン表面で自然酸化膜がただちに形成するため、接触の性能は作製の詳細に敏感に依存する。欲しい接触のタイプを得るために、接触領域は高濃度にドープされることがある。半導体が接合の近くで高濃度にドープされているとき、半導体上のオーミック接触は形成しやすくなる。高濃度ドープすることで界面での空乏層は狭くなり、トンネル効果によって電子はどちらの方向にも流れる。 接触作製の基本的なステップは、半導体表面の洗浄、接触金属の堆積、パターニング、アニーリングである。表面洗浄はスパッタエッチング、化学エッチング、反応性ガスエッチング、イオンミリングで行われる。たとえばシリコンの自然酸化膜はフッ化水素酸への浸漬で除去される。一方でGaAsは一般的に臭素-メタノールに浸漬することで洗浄される。洗浄後はスパッタ堆積、蒸着、化学気相成長によって金属が堆積される。スパッタリングは蒸着よりも速く簡便に金属を堆積できるが、プラズマからのイオン衝撃が表面状態を誘起したり、表面での電荷キャリアのタイプを反転させたりしてしまう。このため、より穏やか速いCVDが好まれている。接触のパターニングは、リフトオフなどの標準的なフォトリソグラフィでできる。接触金属は後に溶解されるフォトレジスト層の穴を通じて堆積される。堆積後のアニーリングは、応力を取り除くだけでなく、金属と半導体との間の望ましい反応を誘起するためにも有用である。接触抵抗の測定は四端子測定法が最も単純に行われ、より正確な測定では伝送線測定が一般的である。
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