オーク樽との親和性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/07 23:31 UTC 版)
「カベルネ・ソーヴィニヨン」の記事における「オーク樽との親和性」の解説
カベルネ・ソーヴィニヨンの特色の一つとして、醸造時および樽熟成時のオーク樽との親和性が挙げられる。ブドウの強いタンニンを和らげる効果があるほか、樽由来のバニラやスパイスのような香りは、カベルネ・ソーヴィニヨンの特徴である黒スグリやタバコの香りと調和する。カベルネ・ソーヴィニヨン中心のボルドーブレンドに225リットル(59ガロン)のバリックと呼ばれる木樽を使うことはとりわけ成功を収めており、このサイズの樽は世界中で最も使われるようになった。どのくらい樽を効かせるか(あるいはどんなオーク材を用いるか)は出来上がるワインの品質に大きな影響を与える。アメリカンオークを用いると強烈な樽香をつけることができ、とりわけ新樽を用いた時に顕著である。しかし、フレンチオークと比べるとできあがるワインの複雑性に劣る。同じアメリカンオークでも産地によって違いがあり、オレゴン産のオーク樽はミズーリ、ペンシルバニア、バージニアといった産地に比べてよりはっきりとした樽の影響をワインに及ぼす。あたかもブドウ品種をブレンドするかのように、複数の産地のオーク樽を新旧取り混ぜて用い、出来上がったワインをブレンドする場合もある。 一般的なバリックではなく、別の樽を用いることで樽の効き方をコントロールすることもできる。大きい樽を使えば、樽とワインが接触する部分が相対的に少なくなるので、樽香は穏やかになる。イタリアやポルトガルでは栗やセコイアといったオーク以外の木材でできた樽が使われることもある。他には、ステンレスタンクで発酵や熟成を行い、そこにオークチップやオーク板を漬けておくような手法もある。この方法ではオーク樽を使うよりも低コストではっきりした樽香を付けることができるが、まろやかで調和のとれた樽香にはなりにくく、樽熟成のようにわずかにワインが酸化することによる効果も得られない。
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