オークンの法則の数学的記述
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/08/21 05:55 UTC 版)
「オークンの法則」の記事における「オークンの法則の数学的記述」の解説
オークンの法則の乖離形式は次のように書ける(Abel & Bernanke 2005): ( Y ¯ − Y ) / Y ¯ = c ( u − u ¯ ) {\displaystyle ({\overline {Y}}-Y)/{\overline {Y}}=c(u-{\overline {u}})} Y ¯ {\displaystyle {\overline {Y}}} は完全雇用状態での潜在産出量(GDP) Y {\displaystyle Y} は実際の総産出量 u ¯ {\displaystyle {\overline {u}}} は自然失業率 u {\displaystyle u} は実際の失業率 c {\displaystyle c} は失業の変化と産出量の変化の相関係数 アメリカ合衆国では、1965年頃からcの値が上述の通り3から2程度になっている。 上に示したオークンの法則の乖離形式をそのまま検証するのは難しい。 Y ¯ {\displaystyle {\overline {Y}}} と u ¯ {\displaystyle {\overline {u}}} は推計するしかなく、測定することはできないためである。「差分形式」または「成長率形式」として知られている形式の方がよく使われており、産出量の変化と失業の変化とを次のように関連付ける: Δ Y / Y = k − c Δ u {\displaystyle \Delta Y/Y=k-c\Delta u\,} : Y {\displaystyle Y} と c {\displaystyle c} の定義は上記の通り Δ Y {\displaystyle \Delta Y} はある年から翌年までの実際の産出量の変化 Δ u {\displaystyle \Delta u} はある年から翌年までの実際の失業率の変化 k {\displaystyle k} は完全雇用状態での産出量の年平均成長率 アメリカでは現在kがおよそ3%でcがおよそ2である。従ってこの式は次のように書ける。 Δ Y / Y = .03 − 2 Δ u . {\displaystyle \Delta Y/Y=.03-2\Delta u.\,} この記事の一番上にあるグラフは、オークンの法則の成長率形式を図示している。これは一年毎ではなく四半期データを基に計測されている。
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