オウム真理教捜査
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/10 05:07 UTC 版)
公務執行妨害罪容疑での逮捕は、特に地下鉄サリン事件以降オウム真理教(Aleph)の信徒など関係者に多用され、元オウム真理教幹部の井上嘉浩は松本智津夫裁判において元オウム信者の警視庁巡査長から電話で「自分の方からオウムの信者にぶつかってもいいから、とにかく信者を公妨で捕まえろと指示された。気をつけて」と連絡を受けたこと、「いきなり警官がぶつかってきて」公務執行妨害容疑で逮捕されたことを証言した。 森達也の記録映画『A』にはオウム信徒の一人が職務質問から逃れようとする際に警察官と共に倒れ込み、公務執行妨害容疑で逮捕される様子が撮影されており、「転び公妨」による逮捕の瞬間を写した映像とされている。これは、8月9日にオウムが公安審査会に意見書を出した直後の出来事である。 森は「公安警察がマスコミを不当逮捕を見逃す存在として認識していたから、彼ら(警察)は撮られることを意に介さなかったのだ」と推測している。その当時は、オウム真理教の関係者だというだけで退去運動や住民票の転入届の不受理が行われたように、世論もオウム関係者に対し攻撃的な状況であった。 森は、被疑者として逮捕された信徒の弁護士からビデオテープを証拠として法廷に提出するように求められ迷った挙句に応じその信徒は無罪となった。なお映像の中で、信徒に暴行を加えたように見えた公安警察官も、後に特別公務員暴行陵虐罪で告訴されたが、映像の見方によっては暴行を加えたかのように受け取れるものの、無罪判決が下された。
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